留置場での生活はどんな感じ? 時間割・食事・入浴…、意外な楽しみや不便な点まで、経験者が語るリアルな日常とは

留置場(留置所)に入ることは多くの人にとって未知の体験です。

  • 「留置場(留置所)の生活はどんな感じなのか?」
  • 「どんなスケジュールで過ごすのか?」

といった疑問を持つ人も多いでしょう。

本記事では、留置場(留置所)での24時間の流れや不便な点、意外な楽しみなどを詳しく解説し、読者の不安を解消していきます。

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留置場とは?基本情報

留置場(りゅうちじょう)とは、警察署内に設置された施設で、逮捕された人が裁判を待つ間、勾留される場所です。

また、留置所とも言われますが、正式には「留置場」です。

留置場は、「代用監獄」とも呼ばれ、本来は拘置所で勾留されるべき被疑者・被告人が、「拘置所の代わり」として留置される施設です。

留置場と刑務所は明確に異なります。留置場は「未決」(有罪が確定していない)の人が収容される場所であるのに対し、刑務所は「既決」(有罪が確定した)の人が刑期を過ごす場所です。

日本の場合、逮捕から最長で23日間(逮捕後72時間+勾留10日+勾留延長10日)の勾留が可能で、多くの被疑者はこの期間を留置場で過ごすことになります。

留置場(留置所)での一日の流れ

留置場(留置所)での一日はかなり規則正しく、ほぼ同じパターンの繰り返しになります。一般的な一日の流れは以下のようになっています。

時間活動内容
6:30起床
6:30〜7:00布団だし・点呼・洗面
7:00朝食
8:30運動(平日のみ)
本出し
入浴(夏期週2回、それ以外5日に1回)
10:00〜12:00取り調べ・面会など
12:00昼食
13:00〜17:00取り調べ・面会など
途中(15:30頃)自本との交換あり
17:00夕食
20:30頃書籍回収
20:40頃〜21:00洗面・布団だし・点呼
21:00就寝

この流れは各留置場(留置所)によって若干異なる場合がありますが、基本的には朝早く起きて、夜は比較的早く就寝するという規則正しい生活が強いられます。

留置場の一日の流れについて:詳しくはこちら👇

留置場(留置所)での生活環境

居室(部屋)の環境

留置場(留置所)の居室は、一般的に4.5畳程度の広さで、1人部屋から4人部屋まであります。部屋には以下のような基本的な設備が備わっています:

廊下側は全面鉄格子で、鉄製の扉が設置してあり、食品の出し入れや書類のサインのための小窓が付いています。プライバシーはほとんどなく、定期的に警察官が見回りに来ます。

👉 詳しくはこちら >> 留置場の部屋のドアや窓の構造はどうなっているの?

同室者がいる場合は、相性によって生活のストレスが大きく変わることもあります。相性の良い人と一緒になれば心強い味方になりますが、相性の悪い人との共同生活は非常に苦痛を伴うこともあります。

👉 詳しくはこちら >> 留置場(留置所)で相性の悪い人と同室になったらどうする? 対応方法とトラブル回避のコツ

留置場(留置所)の食事の実態

留置場(留置所)での食事は基本的に3食提供されますが、留置場(留置所)内で作っているわけではなく外部の業者への委託であるため、質素で量も控えめです。一般的なメニューの例としては:

  • 朝食:白米、みそ汁、おかず2品
  • 昼食:コッペパン2個、おかず1品、ジャム、ドリンク
  • 夕食:白米、おかず3〜4品

食事は部屋で取ります。箸は食事の度に貸し出され、食後に回収されます。金属製のフォークやナイフ、スプーンは安全上の理由から使用できません。

栄養面では最低限のバランスはある程度考慮されていますが、味付けは薄く、量も一般的な食事より少なめです。

食事の時間は特に定められておりませんが、同室のメンバーに合わせる必要があり、ゆっくり食事を楽しむという感じではありません。

留置場(留置所)の入浴・洗面の状況

入浴は基本的に夏季は週2回、それ以外の時期は5日に1回、15〜20分程度の時間が与えられます。シャワーと浴槽があり、小さな銭湯のような作りになっています。ただし、20分以内に入浴と着替えを済ませなくてはいけないため、ゆっくり入浴する感じにはなりません。

洗面は朝と夜に行えますが、時間は限られています。共同の洗面所を使用します。歯磨きや洗顔など、最低限の身だしなみを整えることができます。

ただし、男性は化粧品やスキンケア用品の使用はできません(女性は制限されているものの、化粧水と乳液は使えます)。肌荒れや髪のトラブルに悩まされる人も少なくありません。

留置場(留置所)のトイレ事情

留置場(留置所)のトイレは室内にあり、和式が多く仕切りはあるものの、中の様子が見えるように窓が設置してあります。

トイレットペーパーは支給されますが、自殺防止のため、ロール型ではなく、使用量にも制限があります。

清掃は自分たちで行う必要があります。

石鹸や消毒液等も無いため、衛生面での不安を感じる人も少なくありません。

👉 詳しくはこちら >> 留置場のトイレ事情:その実態を徹底解説!

留置場(留置所)生活での制限と不便さ

留置場(留置所)での生活で特に不便に感じられるのは、以下のような制限事項です:

1. 外部との連絡の制限

家族や友人との連絡は、弁護士を介した接見や面会、手紙のやり取りに限られます。電話やインターネットの使用はできません。

接見(面会)は原則として1日1回、15〜20分程度で、透明なアクリル板越しに話をすることになります。ただし、弁護士の接見には制限がありません。

👉 詳しくはこちら >> 【留置場での面会】基本知識と注意点を徹底解説

2. 持ち物の制限

留置場(留置所)内で使用できる私物は非常に限られています。危険物はもちろん、金属製品、長い紐など、自傷他害の可能性があるものは持ち込みが禁止されています。

差し入れにも厳格な基準があります。食品の差し入れは出来ず、衣服もパーカーや伸縮性の高いヒートテックなどは差し入れできません。

本は比較的自由に差し入れできますが、概ね1日3冊までの制限がついています。

👉 詳しくはこちら >> 【留置場(留置所)】差し入れの方法と注意点

3. プライバシーの欠如

前述のように、留置場(留置所)ではプライバシーがほとんどありません。

24時間監視カメラで見られており、定期的に警察官が見回りに来ます。

同室者がいる場合はさらにプライバシーが制限されます。

4. やることがなくて暇

取り調べや地検(地方検察庁)に行くなどのイベントがないと、留置場(留置所)の時間はとても退屈で長く感じるものです。

テレビやラジオ、BGM、スマホなどもありません。あるのは本だけという状況になります。仕事もできないため、本を読むか、同室の人と話すしか時間を潰すことができません。

留置場(留置所)での精神面への影響

留置場(留置所)生活が長引くと、さまざまな精神的影響が現れることがあります:

1. 拘禁反応

閉鎖的な環境での生活が続くと、不安や抑うつ、イライラなどの症状が現れることがあります。これを「拘禁反応」と呼び、留置場生活が長引くほど症状が強くなる傾向があります。

主な症状としては:

  • 不安感や焦燥感の増大
  • 集中力の低下
  • 睡眠障害
  • 食欲不振
  • 無気力状態
  • などなど……

様々な症状が出てきます。

2. 不眠

留置場(留置所)では日中、ほとんどの時間を留置場の居室内で退屈しながら過ごすことになります。

その上、夜は真っ暗にならず、照明がついています(減灯はされます)。

将来への不安などもあり、多くの人が不眠に陥ります。

3. 社会復帰への不安

長期の留置場(留置所)生活の後には、社会復帰への不安が生じることもあります。

特に報道されるなど社会的な注目を浴びた場合、外部の反応を気にして不安が強まることがあります。

👉 詳しくはこちら >> 留置場・マスコミ・デジタルタトゥーについて考える

留置場(留置所)生活での楽しみやストレス発散法

厳しい環境ではありますが、留置場(留置所)内でも工夫次第でストレスを軽減する方法があります:

1. 読書

多くの元被留置者が「読書が最大の救い」と語っています。

雑誌や小説など、幅広く差し入れ可能です。

知識を得たり、物語の世界に没頭したりすることで、精神的な安定を保つことができます。

2. 手紙のやり取り

家族や友人との手紙のやり取りは、外部とのつながりを感じられる貴重な機会です。手紙を書くこと自体も時間を有意義に使う方法となります。

👉 詳しくはこちら >> 留置場への手紙の送付方法と注意点をわかりやすく解説

3. 運動時間の活用

1日15〜20分程度の運動時間があります(平日のみ)。

基本的には、髭剃りや爪切り、留置担当官(看守)や他の被留置者との雑談で終わってしまいますが、一日中室内にいる留置場生活の中で唯一外気に触れ、空が見えるため、ストレス発散やリフレッシュにつながります。

また、自由時間に室内で運動をすることもオススメです。

4. 同室者との会話

相性の良い同室者がいる場合、会話を通じて情報交換や気分転換ができます。

事件についての会話が多くなりますが、どこまで話すかは慎重に検討しましょう。

👉 詳しくはこちら >> 留置場(留置所)の「あるある」:経験者が語るリアルな日常と実

5. 自己啓発や内省の時間

留置場(留置所)での時間を自己啓発や内省の機会と捉え、過去を振り返ったり、将来について考えたりする時間にする人も多いです。手記を書くことも精神的な整理に役立ちます。

👉 詳しくはこちら >> 留置場での意外な楽しみ:逮捕・勾留中に心の平穏を保つ方法と日々の工夫

家族ができるサポート

留置場(留置所)に家族がいる場合、できるサポートには以下のようなものがあります:

1. 面会に行く

定期的な面会は留置者の大きな心の支えになります。

面会の際には明るい話題を中心に、前向きな会話を心がけると良いでしょう。

👉 詳しくはこちら >> 【留置場での面会】基本知識と注意点を徹底解説

2. 適切な差し入れをする

衣類や本、日用品など、許可されている物品の差し入れは大きな助けになります。

事前に弁護士や留置場(留置所)に確認して、許可されているものを差し入れましょう。

👉 詳しくはこちら >> 【留置場(留置所)】差し入れの方法と注意点

3. 手紙を送る

定期的に手紙を送ることで、外部とのつながりを感じてもらえます。明るい話題や日常のことを書くと喜ばれることが多いです。

👉 詳しくはこちら >> 留置場への手紙の送付方法と注意点をわかりやすく解説

4. 弁護士との連携

弁護士と密に連絡を取り、留置者の状況を把握しながら、どのようなサポートができるか相談すると良いでしょう。

👉 詳しくはこちら >>逮捕後に困らない! 初めての弁護士選びと賢い活用法

よくある質問

Q1: 留置場(留置所)での生活は何日続くの?

A1: 基本的には逮捕から最長23日間(72時間の逮捕+10日間の勾留+10日間の勾留延長)ですが、起訴された場合は裁判までの間、引き続き留置場で過ごすケースもあります。

複数の容疑で再逮捕されると、さらに長期化することもあります。

Q2: 留置場(留置所)では何を着るの?

A2: 留置場(留置所)で貸してくれるスウェットの上下とTシャツを来ます。差し入れてくれれば、私服を着ることも可能ですが、ベルトや紐のついた服、金属のボタンなど危険と判断されるものは差し入れできません。

Q3: 留置場(留置所)では労働はあるの?

A3: 留置場(留置所)では基本的に労働はありません。これは刑務所との大きな違いの一つです。時間を持て余すことが多く、読書などで時間を過ごす必要があります。

👉 詳しくはこちら >> 留置場で労役はある? 刑務所との違いと実態を徹底解説

Q4: 留置場(留置所)で体調が悪くなったらどうするの?

A4: 体調不良を訴えれば、警察医による診察や必要に応じて外部病院への通院が可能です。

ただし、軽微な症状の場合は対応が遅れることもあります。

持病がある場合は逮捕時に申告し、必要な薬の持参を認めてもらうことが重要です。f

👉 詳しくはこちら >> 留置場での医療:持病があっても安心? 診察・費用・薬について徹底解説

Q5: 留置場(留置所)でスマホは使えるの?

A5: 留置場(留置所)内でのスマートフォンや電子機器の使用は一切禁止されています。

外部との連絡は手紙や面会のみに限られます。

👉 詳しくはこちら >> 留置場でスマホは使えるの?使用の可否と扱いについて徹底解説

まとめ:留置場(留置所)での生活を乗り越えるために

留置場(留置所)での生活は、確かに自由が制限され、不便さを感じる面が多くあります。

しかし、以下のポイントを意識することで、この期間を少しでも前向きに過ごすことができるでしょう。

  1. 規則正しい生活を心がける
    • 留置場(留置所)の決まった生活リズムに素直に従い、体調管理を優先しましょう。
  2. 読書など精神的な活動を大切にする
    • 限られた環境の中でも、読書や思考を通じて精神的な豊かさを保つことが大切です。
  3. 家族とのつながりを大切にする
    • 手紙や面会を通じて家族とのつながりを保ち、精神的な支えにしましょう。
  4. 弁護士との連携を密にする
    • 弁護士を通じて自分の状況を正確に把握し、適切な対応を心がけましょう。
  5. 将来への希望を持ち続ける
    • 留置場(留置所)での時間は必ず終わります。その後の人生を前向きに考える機会と捉えることも大切です。

留置場(留置所)での生活は決して楽ではありませんが、この記事が少しでも不安の解消や心の準備に役立てば幸いです。

家族や知人が留置場(留置所)にいる方は、できる限りのサポートを続けることが、彼らの大きな支えになるでしょう。

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