
留置場(留置所)では、他の被留置者と同じ部屋(雑居房)で生活することが一般的です。
そのため、相性の悪い人と同室になってしまうケースもあります。
この記事では、留置場(留置所)での勾留中に、相性が悪い人と同室になってしまった場合の付き合い方やトラブルを回避する方法について詳しく解説していきます。
1. 留置場(留置所)で相性の悪い人と同室になる可能性
留置場(留置所)の部屋の種類
- 雑居房と独居房。その違いとは?
- 留置場(留置所)には2〜6人ほどの複数人が収容される「雑居房」と、1〜2人で収容される「独居房」があります。
- 基本的に「雑居房」で勾留され、「独居房」は少年(他の被留置者から見られないように配慮するため)または病気、問題が多く雑居に適さない人、懲罰中の人などが勾留されます。
留置場(留置所)の部屋割りの仕組みとその決め方
留置場(留置所)の部屋割りは警察官(留置担当官)が決めます。
原則として、犯罪の種類や年齢、性格、過去のトラブル歴などを考慮して決められますが、100%相性の良い人と同室になれるわけではありません。
基本的に雑居房での共同生活となる
- 留置場(留置所)では基本的に、複数人が同じ部屋で生活する雑居房が一般的です。
- 他人との距離が近く、プライバシーがほとんどない環境のため、人間関係が重要になります。
同室になった人と相性が悪い理由
- 性格や価値観の違い
- イビキや体臭、生活音などの物理的な要因
- 初犯者と再犯者の違いによる生活スタイルのギャップ
👉 詳しくはこちら >> 留置場の部屋はどんな作りなの? その実際を解説!
相性が悪い人と同室になった場合のリスク
- 言い争いや喧嘩
- 意見の食い違いや生活習慣の違いから言い争いに発展することがあります。
- 👉 詳しくはこちら >> 留置場で喧嘩ってあるの? 留置場内の実情とトラブルについて解説
- 精神的なストレス
- 相手との関係が悪化すると、孤立感やストレスを感じることがあります。
- 👉 詳しくはこちら >> 留置場での精神的ストレスの原因と解消法|元被留置者から聞いた具体的な対策
- いじめや嫌がらせ
- 相性が悪い相手から嫌がらせを受ける可能性もあります。
- 👉 詳しくはこちら >> 留置場でいじめはある? 実態と対処法
2. 相性が悪い人とのトラブルを防ぐ方法
- 距離をとる(無理に仲良くしない)
- 必要以上に親しくなる必要はありません。適度な距離感を保つことが大切です。
- 具体的には、物理的に距離を取ることが最も基本的な方法です。同室者との無駄な会話を避け、必要最低限のやり取りに留めましょう。
- 名前や住所などの個人情報を教えることは避けましょう。
- コミュニケーションは適度に
- 挨拶や簡単な会話は円滑な関係を築くために有効です。
- ただし、過度に干渉したり、相手を批判するような発言は控えましょう。
- 相手の言動を気にしない
- 相手の言動に過剰反応せず、聞き流すように心がけましょう。
- 感情的にならず、冷静に対応することが大切です。
- 冷静な対応を心掛ける
- 相手が挑発してきても、感情的にならずに冷静に対応することが重要です。特に暴力的なトラブルにならないよう注意しましょう。
- トラブルを大きくしないためには、自分自身の態度も重要です。
- 留置担当官に相談する
- トラブルが深刻化しそうな場合は、早めに「留置担当官(担当さん)」に相談しましょう。
- 部屋替えなどの対応をしてもらえる可能性があります。
- ただし、「隠れて」相談することが推奨されます。他の被留置者に知られると嫌がらせを受けるリスクもあるためです。
- 読書や考え事に集中する
- 同室者との会話を減らし、自分の世界に集中するのも一つの手です。
- 留置場では本を読むことができるため、気を紛らわせるために読書をするのも有効です。
- 関連:「留置場で読める本」について詳しくはこちら>>
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3. トラブル防止のための日常生活での工夫
- 規則正しく決められた通りに生活を送る
- 留置場(留置所)ではスケジュール通りに生活することが求められます。
- 規則はトラブルを起こさないという観点から定められたものです。
- そのため、トラブルを起こす人の多くは、規則から外れた行動を行なっていることが多いです。
- 規則から外れた行動を取ってしまうことで、相手の反感を買い、トラブルにつながります。
- 規則正しい行動を淡々と行いましょう。それがトラブル防止につながります。
- 掃除や食事の配膳など、手伝えるものは積極的に手伝うようにしましょう。動かない、手伝わない人はいじめは喧嘩などのトラブルを引き寄せやすいです。注意しましょう。
- 他人への配慮
- 同室者への配慮(音や臭いなど)を心掛けましょう。些細なことがトラブルの原因になることもあります。具体的な内容を下記に記載していきます。
- 挨拶:挨拶や普段の声かけを欠かさず行いましょう。これだけで随分トラブルを回避できます。
- 音に対する配慮:
- むやみに大声で話したり、独り言を無意識に呟いている、モノを移動したり扉を閉めるときなどの生活音がむやみに大きいときはトラブルになりやすいです。共同生活なので、普段より意識するようにしましょう。
- また、いびきや歯ぎしりも注意が必要です。なかなかコントロールできるものではないですが、以下のように対策するといいでしょう。
いびきであれば、横向きで寝るようにする(仰向けの方がいびきが出やすいため)。
いびきや歯ぎしりで迷惑をかけてしまうことを事前に言っておく。
都度、迷惑をかけていることを謝り、気遣う。
これらをすることにより、トラブルを防止することができるでしょう。
- 臭いに対する配慮:
- トイレに対する配慮:雑居房内にトイレがあります。しかもリフォーム後で新しくなっている留置場(留置所)であっても換気はかなり悪いです。そのため、特に大便時には部屋中(下手したら周囲の部屋にまで)臭いがこもってしまいます。ですから大便時には水を流しながらトイレをするようにして、臭いが籠らないようにしましょう。
- 口臭:歯磨きは起床後と就寝前にしか行えません。食後の歯磨きができないため、口臭がキツくなってくる人がいます。口臭がある人がしゃべると、その臭いが部屋にこもることがあり、トラブルの原因となります。限られた場面でしか歯磨きができませんが、しっかりと磨くようにしましょう。
- 体臭:体臭がきついのもトラブルの原因となります。入浴時に石鹸をしっかり使って洗いましょう。また、衣服に染み付いた臭いも他者からはかなり気になり、トラブルの原因となります。衣服の差し入れをしてもらい、なるべく着替えられるようにしましょう。
- 音に対する配慮:
- 挨拶:挨拶や普段の声かけを欠かさず行いましょう。これだけで随分トラブルを回避できます。
- 同室者への配慮(音や臭いなど)を心掛けましょう。些細なことがトラブルの原因になることもあります。具体的な内容を下記に記載していきます。
- 空間の使い方
- 個人のプライベートスペースを尊重する:雑居房では限られたスペースを共有しなくてはなりません。自分の荷物や行動が他人のスペースに侵入しないよう注意しましょう。また、人にはプライベートスペースというものがありますので、話す時などにむやみに接近しないようにしましょう。
距離感の苦手な人はいじめや喧嘩などのトラブルを起こしやすい傾向があります。 - 共有物の使用:辞書や新聞などの共有物は、使った(読んだ)後にすぐに次の人に回すか、留置担当官(担当さん)に返却するなど、他者を気遣い、ルールを守ることが大切です。
- 個人のプライベートスペースを尊重する:雑居房では限られたスペースを共有しなくてはなりません。自分の荷物や行動が他人のスペースに侵入しないよう注意しましょう。また、人にはプライベートスペースというものがありますので、話す時などにむやみに接近しないようにしましょう。
- コミュニケーション
- 適度な距離感:無理に親しくなろうとせず、必要最低限の会話にとどめることでトラブルを避けられます。また、自分達の容疑についてをネタに話すのは留置場(留置所)あるあるですが、相手が望まないときは無理に話をしないようにすることも大切です。
- ある程度の自己開示をする:相手から逮捕された容疑について聞かれたとき、答えにくいことは答える必要はありませんが、何も言わないことが原因でトラブルになることもあります。ここまでなら話せるというラインを決めておくといいでしょう。
全く話すことはできないという方針で、それが原因でいじめやトラブルになるようであれば、すぐに留置担当官(担当さん)に助けを求めましょう。 - 敬意を持つ:相手の意見や生活スタイルを尊重し、否定的な態度や発言は控えましょう。
- 生活習慣への配慮
- 早朝・夜間の行動:起床時間前や就寝時間後は静かに行動し、他人の睡眠を妨げないよう心掛けましょう。
- 布団を踏まない:特に刑務所経験者は気にします。気をつけましょう。
- 食事中のマナー:音を立てて食べることや、食べ物を散らかしたりすることへの注意が必要です。
- お茶や味噌汁のお椀に指を入れない:お茶や味噌汁は、入口付近の人から回してもらうことが多いですが、手渡しする際に、指が入らないように気をつけましょう。トラブルの原因になります。
- 食事の下にひくござを踏まない:食事の際に床が汚れないように「ござ」を敷きます。食事が乗るものですから、ござを踏まないようにしましょう。
- 自分の時間を大切にする
- 読書やストレッチなど、一人でできる活動に集中することで気持ちを落ち着けることができます。
4. トラブル例とその対処法
- イビキによるトラブル
- 事例:同室者のイビキがうるさくて眠れず、室内でトラブルになっている。
- 対処法:
- 横向きで寝てくれるように頼む(仰向けの方がいびきが出やすくなるため)。
- タオルや布団で耳元を覆うことはできないので、我慢できる範囲は我慢する。
- 2週に1回の医師の診察時に眠剤を処方して、いびきがうるさくても眠れるようにする。
- あまりにもひどい時は、担当官に相談して別室への移動をお願いする。
- 余談:いびきがうるさすぎて、独居房対応になった人もいる。
- 臭いによるトラブル
- 事例:大便の臭いがこもってトラブルに。
- 背景:大便する際には水を流し続けるように指導されたことを守らなかったため起きたトラブル
- 対処法:
- 大便時に水を流すように再度指導。
- 守らないとイジメや喧嘩になる。
- どうしても守らないときは、留置担当官に相談する。
- 言い争いや暴力沙汰
- 例:些細なことで口論になり、暴力沙汰になりそう。
- 対処法:
- 冷静に対応し、自分から距離を取る。
- 暴力行為が予想される場合は、早めに留置担当官へ報告。
- 嫌がらせやいじめ
- 例:嫌味を言われたり、嫌がらせを受ける。
- 対処法:
- 返事はしつつ、あまり反応しないことでエスカレートを防ぐ。
- 状況次第では担当官に相談し、証拠となる状況説明を行う。
👉 詳しくはこちら >> 留置場でいじめはある? 実態と対処法
5. 家族や知人、弁護士からのサポートも重要
- 家族や知人からのサポート
- 家族や知人からのサポートは、相性が悪い人との生活で辛い留置場生活を乗り切る大きな糧となります。
- 手紙や面会で励ます。
- 必要物資(衣類や書籍など)の差し入れ。
- 家族や知人からのサポートは、相性が悪い人との生活で辛い留置場生活を乗り切る大きな糧となります。
- 弁護士への相談
- 弁護士からのサポートも大きな助けとなります。:
- トラブルへの対応策についてアドバイス。
- 留置場内で不当な扱いを受けた場合の法的対応。
- 弁護士からのサポートも大きな助けとなります。:
6. まとめ:冷静な対応と適切なサポートが鍵
留置場では相性の悪い人と同室になる可能性がありますが、冷静な対応と適切な距離感を保つことで、多くの場合トラブルは回避できます。
また、深刻な問題が発生した場合には、留置担当官をはじめ、家族や知人、弁護士などに相談しながら解決策を模索しましょう。
この記事では基本的な対応方法をご紹介しましたが、不安や疑問がある場合には専門家への相談も検討してください。
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