
留置場に勾留されることになった場合、「ヤクザと一緒に部屋になるのでは?」と不安に思う人も多いでしょう。
実際、留置場ではヤクザと一般の人が同室になることがあるのか、ヤクザはどのような扱いを受けるのかなど、詳しく解説していきます。
留置場でヤクザと一般人は分けられるのか?
留置場では、基本的に犯罪の内容や被疑者の属性に応じて部屋割りが決められるため、必ずしもヤクザと一般の被疑者が一緒の部屋になるとは限りません。警察は以下のような基準で収容場所を決めています。
- 逃亡や証拠隠滅の恐れがあるか
- 他の被疑者とトラブルを起こす可能性があるか
- 暴力団構成員や半グレなどの属性
- 過去の勾留歴や懲罰歴
そのため、ヤクザだからといって無条件に隔離されるわけではなく、一般の被疑者と同室になる可能性もあります。
分離収容
部屋割りというよりも、収容場所の区別となりますが、勾留には「分離収容」の原則があり、以下のように規定されています。
(被収容者の分離)
出典:e-GOV法令検索 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律より引用
第四条 被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。
一 性別
二 受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者としての地位を有する受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別
三 懲役受刑者、禁錮受刑者及び拘留受刑者の別
「分離収容」についてまとめると、以下のような基準に則って収容することが原則となっています。
- 性別による分離:
- 男性と女性の被留置者は必ず分離して収容されます。
- 年齢による分離:
- 少年(未成年)の被疑者は成人の被疑者と分離して収容されます。
- 共犯者の分離:
- 共犯者や関連する事件の被疑者は、できるだけ別々に収容し、通謀を防止します。
- 被収容者の地位による分離:
- 受刑者、未決拘禁者、死刑確定者などの地位別に分離されます。
これらの分離原則は、被留置者の人権保護や適切な処遇、捜査の適正化などを目的としています。ただし、状況に応じて分離をしないことができる例外規定も存在します。
ヤクザと同室になるとどうなる?
万が一ヤクザと同室になった場合、実際のところどうなるのか気になるところでしょう。
① 威圧感があるが、基本的には大人しい
映画やドラマのイメージとは異なり、留置場にいるヤクザは比較的おとなしいことが多いです。理由としては以下の点が挙げられます。
- 暴力を振るうと懲罰対象になるため、下手なトラブルを起こしたくない
- 逮捕されている時点で組織の力が及びにくい
- 余計な問題を起こして勾留延長されるリスクがある
ただし、ヤクザの中にはプライドが高く、態度が大きい人もいるため、気を遣う場面はあるかもしれません。
② ルールを熟知している
ヤクザや半グレなどの「常習者」は、留置場での生活ルールを熟知しているため、初めて勾留された人にとっては案外頼りになることもあります。
- 差し入れのやり方や面会のコツを教えてくれる
- 留置場での過ごし方についてアドバイスをくれることもある
基本的に同室になった際に面倒見のいい「良い人」であることが多いです。
一方で、目をつけられるとパシリのように扱われるケースもあるため、距離感には注意が必要となるケースもあります。
ヤクザの留置場での待遇は違うのか?
ヤクザだからといって、留置場で特別な待遇を受けることはありません。しかし、警察側もトラブル防止のため、対応を工夫することはあるようです。
① ヤクザは独居房になることも
暴力団関係者は、他の被疑者と衝突する可能性が高いため、独房(独居房)に入ることが多いとされています。ただし、必ずしも独房になるわけではなく、部屋数や収容状況によっては一般の被疑者と同室になることもあります。
実際に留置場経験者からの話によると、ヤクザと一般人が留置場で同室になることは珍しくないようです。
② 看守の対応が慎重になる可能性がある
ヤクザに対しては、警察官(留置担当官)も慎重に対応する傾向があります。ただし、これは特別な優遇というわけではなく、あくまでトラブル回避のための対応です。
とはいえ、留置担当官はあくまで「人そのもの」を見ますので、留置場で勾留されているヤクザがトラブルを起こすような人でないと判断した時は、普通の被留置者と全く同じ対応をします。
まとめ:ヤクザと同室になる可能性はあるが、過度な心配は不要
留置場ではヤクザと一般の被疑者が同室になる可能性がありますが、
- 警察がトラブル防止のため配慮することが多い
- ヤクザもルールを守って過ごしていることがほとんど
- 独房に入るケースもあるが、必ずしもそうとは限らない
したがって、「ヤクザと同室になったらどうしよう…」と過度に心配する必要はありません。
もし留置場についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
この記事が少しでも不安を解消する手助けになれば幸いです。
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