留置場で労役はある? 刑務所との違いと実態を徹底解説

「留置場って刑務所みたいに労役があるの?」
「留置場で何か作業をさせられるの?」

逮捕後、留置場に勾留されることになった場合、刑務所のような刑務作業や労役があるのかどうか気になる方は多いでしょう。

この記事では、留置場における労務作業の有無、刑務作業との違い、労役とは何かなどを分かりやすく解説します。

留置場と労役:結論

結論から申し上げますと、留置場では刑務所のような刑務作業や労役はありません。

また、厳密には、刑務所で行われる刑務作業と労役は違うものです。

まずは労役について話をしていきましょう。

労役とは何か?

労役は、罰金や科料を支払えない場合に適用される制度です。主な特徴は以下の通りです:

  1. 目的:罰金・科料の支払いに代わる刑罰
  2. 場所:労役場(刑務所や拘置所に併設)
  3. 期間:1日以上2年以下(罰金の場合)
  4. 換算:通常、1日あたり5,000円相当でカウントされる。

重要なのは、労役は留置場ではなく、労役場で行われるという点です。

留置場・労役場・刑務所の違いとは?

留置場、労役場、刑務所には以下のような主な違いがあります:

  1. 目的
    • 留置場:主に被疑者・被告人の身柄拘束と取り調べ
    • 労役場:罰金や科料を支払えない人に対する代替措置
    • 刑務所:懲役刑や禁錮刑の受刑者の収容と更生
  2. 管轄
    • 留置場:警察
    • 労役場:法務省(刑事施設に附置)
    • 刑務所:法務省
  3. 収容者
    • 留置場:主に未決の被疑者・被告人
    • 労役場:罰金や科料を支払えない人
    • 刑務所:有罪判決を受けた受刑者
  4. 収容期間
    • 留置場:比較的短期(最長23日間の勾留期間)
    • 労役場:1日以上2年以下(罰金の場合)
    • 刑務所:判決で定められた刑期
  5. 作業内容
    • 留置場:基本的に作業はない
    • 労役場:比較的軽作業が中心
    • 刑務所:より多様で専門的な作業
  6. 処遇
    • 留置場:取り調べや裁判準備が中心
    • 労役場:懲役受刑者に関する規定が準用されるが、改善更生の処遇は行われない2
    • 刑務所:改善更生と社会復帰を目的とした処遇プログラムがある

労役場は刑事施設に附置されており、実質的には刑務所内に設けられていますが、労役場留置者は受刑者とは区別して収容されます。

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留置場で労役は行われない理由

留置場で労役が行われない主な理由は以下の通りです:

  1. 法的位置づけの違い:留置場は未決拘禁施設であり、有罪が確定していない人も収容される
  2. 施設の目的の違い:留置場は主に捜査や裁判のための身柄拘束が目的
  3. 収容期間の短さ:留置場の収容期間は比較的短く、労役を実施するには不適切

留置場での過ごし方

留置場では、刑務所のような労役はありませんが、全く何もすることがないわけではありません。

  • 居室内での過ごし方:読書をしたり、簡単な運動などを行うことができます。
  • 清掃: 居室や共同スペースの清掃など、簡単な作業を求められる場合があります。これは労役とは異なり、環境維持のための協力という位置づけです。

留置場での生活について詳しくは以下の記事をご覧ください!

まとめ

留置場では労役は行われません。

労役は罰金・科料の支払いができない場合に適用される制度であり、専用の労役場で実施されます。

留置場は主に捜査や裁判のための施設であり、その目的や法的位置づけが刑務所とは大きく異なります。