留置場における手紙は、留置場で拘束されている方との数少ないコミュニケーション手段です。
留置場での勾留されている方は、取り調べや今後の不安など、様々なストレスにさらされています。そのように不安で心細い時に送られてきた「手紙」は、勾留されている方にとって「大きな支え」となるものです。あなたもきっと留置場にいる方の力になりたくて、留置場に手紙を送ろうと思ったのだと思います。
ですが、留置場に手紙を送ろうと思った時に、
- 手紙の送付方法が分からない
- どのようなことを書いたら喜ばれるのか知りたい
- 検閲に引っ掛かってしまう内容を知りたい
等々、様々な疑問が頭をよぎることでしょう。
この記事では「留置場」に送る「手紙」に関する基本的な書き方や注意点について詳しく解説します。
具体的には……
- 適切で喜ばれるメッセージとはどのようなものなのか
- 手紙を送付するためのプロセス
- 検閲で引っかかってしまう手紙の内容
についてご案内していきます。
ではお話を始めていきます。
留置場に手紙を送る際の基本的な書き方と注意点
留置場に手紙を送る際の正しい宛名の書き方や内容制限などについてお伝えしていきます。
間違いなく手紙が届くため、そして検閲されても内容が漏れ無く届くために押さえておくといいでしょう。
留置場手紙の宛名の正しい書き方について解説します
留置場に手紙を送る際の宛名はどのように書いたらいいのでしょうか。
まず最初に、宛先の警察署の「郵便番号・住所・警察署名」を記載します。警察署名を書いたらその横に「在監」と記載してください。最後に「お名前」を書けば完了です。
以下に宛先の記入例を載せておきます。参考になさってください。
また、差出人も以下の例のように、しっかりと記載しておきましょう。
レターパックで郵送する場合は以下のように記入します。
留置場に送られる郵便物は誰から送られたものか必ず確認されます。
特に接見禁止がついている人の場合は、接見禁止の一部解除をもらっていないと、手紙が届きません。
忘れずに差出人の住所・氏名を書きましょう。
手紙の内容制限について理解するための重要ポイント
留置場に送る手紙は検閲されます。結果として手紙に書ける内容には制限が存在します。
検査の結果,暗号が用いられるなどして施設の職員が理解できない内容がある場合,発受によって施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがある内容や罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがある内容などが認められた場合には,抹消などの措置がとられたり,発受そのものが認められないことがあります
出典:法務省 刑事施設に収容されている被収容者との面会や手紙の発受等を希望される方へ
簡単に言えば「事件に関すること」「留置場内に関すること」「暗号文」「誹謗中傷」などは書くことができません。
上記に注意を払えば、検閲で消されることはまずありません。
留置場の手紙はどのように検閲されるのかを詳しく解説
留置場に送付された手紙は、検閲を経た後に受取人に渡されます。検閲は留置場の職員が行います。
この検閲は、内容の適当性を確認するために行われます。検閲に引っかかった箇所は、該当部分を複写・記録したうえで、該当部分を黒塗りで消されてから手渡されます。
消された部分は釈放時に開示されることが多いようです。
検閲に引っかかった手紙は黒塗りで消されてて渡されることが大半ですが、内容によっては返送されるか、最悪の場合には処分されることもあり得ます。
特に、違法な情報や禁止された内容が含まれている場合は厳重に取り扱われます。したがって、送信者は手紙の内容が適切であるか、考えながら手紙を書くべきでしょう。
留置場への手紙、土日や祝日でも送付できるのか?
留置場への手紙は、土日や祝日であっても送付することは可能です。
しかし、受取人に届くのは平日に限られます。また、多忙等、留置場内の業務上の理由で、検閲に時間がかかることがあります。
手紙を郵送してから、本人に届くまでに数日〜1週間ほどのタイムラグが発生することは視野に入れておきましょう。
留置場経験者の体験では、普段は消印から3〜5日ほどで手元に届きますが、遅い時は、消印から手元に届くまでに10日ほどかかったことがあったそうです。
このように時間がかかることがあるため、重要なメッセージを伝える場合には、なるべく早めに手紙を発送するか、面会または弁護士に伝言を依頼することが推奨されます。
また、手紙がいつ届くかを考慮し、内容やタイミングに工夫を凝らすことも重要です。特に、重要な相談や悩みについて記載する場合は、その内容が相手に伝わるまでの時間を考慮しましょう。
留置場に送られた手紙の内容と書き方のヒント
手紙の内容は、その人に対する思いやりや励ましを込めたものにすることが重要です。適切な言葉や表現は相手との手紙でのコミュニケーションを円滑にし、辛い留置場生活を乗り切る力にもなります。
留置場に出す手紙で伝えるべき、思いやりを伝える方法
留置場に手紙を書く際には、必ず相手に思いやりや励ましの言葉を伝えるようにしましょう。
例えば、相手が親しい関係や家族の場合、手紙の中に「体調は大丈夫?」とか「いつも思っています」「こちらは大丈夫だから安心してね」のような言葉を用いると良いでしょう。
また、家族の様子や日常生活の出来事を交えて伝えることで、留置者は外の世界を感じることができ、精神的にも支えになることが多いです。
たとえば、子供の成長や家族のイベントの報告などは、心を温める内容となります。このようにポジティブな内容に焦点を合わせることで、受取人が喜んでくれる手紙となります。
また、愛情や思いやりのこもった締めくくりの言葉も重要です。「帰る日を待ってるよ」「応援してる」「気持ちはそばにいるよ」などのメッセージを添えると、一層響く言葉になるでしょう。
留置場に手紙を書く際のNGワードと避けるポイント
留置場にいる方に手紙を書くときにまず気をつけるべきがことあります。
それは「ネガティブな内容」や「相手に対しての誹謗中傷や否定的な表現」を避けるということです。
留置場生活は急な逮捕と外界からの断絶というストレスフルな環境です。そのような環境の中で、ネガティブな話は落ち込んだり、取り調べに対してネガティブな対応を引き起こしてしまったり、自殺などの最悪のケースすら引き起こしかねませ。
また、手紙の内容にはNGワードが存在します。検閲で弾かれてしまうからです。ですからNGワードの使用を避けることが必要です。
具体的には、暴力的な表現や犯罪に関わる言葉は、検閲で引っかかる可能性があります。
ネガティブな内容を書かなくてはいけない時でも、なるべくポジティブな表現を使う方が、より相手に良い影響を与えます。
また、ネガティブな内容を含む手紙を郵送する前には一度、内容を見直しておくことも大切です。
留置場へ送る手紙の例文!どんな内容が喜ばれるのか?
留置場に送る手紙の内容は、受取人を励ますものであるべきです。
例えば、「元気ですか? 外では皆があなたのことを思っているよ」といった内容が非常に喜ばれます。
日常の出来事を報告するのも喜ばれます。
「最近、家の近くに新しいカフェがオープンしたよ。おいしかったから、また帰って来たら一緒に行こうね」といった内容は、未来への希望を持たせ、留置者の気持ちを明るくすることに寄与します。
また、感謝の気持ちや愛情表現も忘れずに加えることで、人間関係を深める手助けにもなります。さ
らに、具体的な応援メッセージを付け加えることも効果的です。「必ず乗り越えられるから、一緒に頑張ろうね」といった言葉は、留置者の心を支えるでしょう。
留置場にいる彼氏に送る手紙、どう書くべきか考える
彼氏に送る手紙は特別な意味を持つものであるため、特に心を込めた内容にすると良いでしょう。
まず、冒頭では彼氏への深い愛情を表現することが重要です。「あなたのことをいつも思っています。少しでも元気が出ると嬉しいです」などと始めることで、彼の心に響くメッセージが伝わります。
また、日常や生活の話題を書くことで、外の世界への接点を提供することができます。特に、彼との思い出を振り返ることで、感情的な繋がりを強化できるでしょう。例えば、「一緒に過ごしたあの日のことを思い出すと、とても心が温まります」といった表現は、過去の楽しい時間を想起させ、心の支えとなり得ます。思い出の写真を同封するのも良いでしょう。
最後には、未来に向けた約束の言葉を添えることが大切です。「早く会える日を心待ちにしています」といったメッセージは、彼にとって大きな励ましとなります。
留置場に届いた手紙の中で、特に思い出に残った手紙とは?
留置場に届いた手紙の中でどのような手紙が思い出に残ったのか?
留置場経験者に聞いた思い出に残る手紙の内容の実際をお伝えしていきます。
ペットの写真にホロリ
留置場に来た手紙の中に、ペットの近況と写真が入っていました。手紙にはペットが元気に過ごしている様子が書かれていて、写真に写るかわいい姿を見て、家を思い出してしまい、不覚にも目頭が熱くなってしまいました。早く家に帰ってペットに会いたいと思いました。
誕生日のお祝いの思い出話
彼女からの手紙で、彼女が誕生日のお祝いをしてくれた時の思い出話が書かれていました。急な逮捕で心配をかけてしまったはずなのに、私の健康を気遣う言葉と楽しかった誕生日祝いの思い出話を読んで、彼女への感謝の気持ちと待っていてくれる安心感とで泣きそうになってしまいました。
封筒の中に写真も入っていて、懐かしい景色が目の前に広がり、頑張ろう! と思いました。
クイズが書かれていてウケた
僕が留置場の中で退屈していると思ったのでしょうか。手紙にクイズが書かれていました。初めは「えっ、クイズ?」と思ったのですが、解いていると意外と楽しくて……。同室の人との会話のネタにもなったし、次届く手紙が楽しみで仕方ありませんでした。
子供の写真に力をもらった
他起動から東京に来ている時に逮捕されてしまったので、面会は一切できない状況でした。そんな中で届いた手紙には、日常生活を変わらず過ごすように努力してくれている妻の話と、元気に過ごしている子供たちの話が書かれていました。特に逮捕前に庭でしたバーベキューの写真を見たら涙が出てきてしまいました。早く留置場を出て子供に会いたい。家族を大切にしたい。そう思い、元気をもらいました。
仕事を頑張っている話に力をもらった
ちょうど妻の仕事が忙しいタイミングで逮捕されてしまい、心配しながら留置場生活を送っていました。そんな中で届いた妻からの手紙には「仕事で忙しい中でも家のことを頑張ってこなしている」という内容が書かれていました。仕事を頑張っている話を読んで「留置場生活を頑張ろう」と強く思いました。
留置場への手紙についてのまとめ
留置場に出す手紙は、留置場で勾留されている方だけでなく、手紙を送付した本人にとっても大切なコミュニケーション手段です。
あなたが出した手紙は、被疑者として留置場で勾留されている方にとって大きな支えとなるものです。
この記事では「留置場に手紙を送る方法」「手紙の内容や制限」「手紙の書き方や注意点」「思い出に残った手紙の内容」などについてお話ししてきました。
この記事を読んで、あなたが実際に留置場に手紙を出す時のお役に立ったなら、とても嬉しく思います!
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