逮捕されて留置場に入ることになった場合、「中で喧嘩が起きるのではないか?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
映画やドラマの影響で、留置場内で暴力沙汰が起きるイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?
この記事では、「留置場で喧嘩は起こるのか?」という疑問に焦点を当て、留置場内の実情とトラブルについて、詳しく解説していきます。
留置場とは? 基本的な情報
まず、留置場とはどのような場所なのか、簡単に振り返っておきましょう。留置場は、警察署内に設置された被疑者を一時的に拘束するための施設です。
逮捕直後から勾留が決定するまでの間、または勾留期間中に身柄を拘束するために使用されます。
留置場は、逃亡や証拠隠滅を防ぐため、外部との接触が厳しく制限された環境となっています。
留置場の生活について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
留置場ではどのような生活を送っているのでしょうか?どんな立場の人でもその実情はとても気になるものだと思います。本記事では留置場での1日の生活について、留置場経験者からのインタビューも参考に、なるべくリアルな実情をお伝えしていきます。
留置場内で喧嘩は起こるのか? 実情を解説
結論から言うと、留置場内で喧嘩が起こる可能性はかなり低いです。その理由は以下のとおりです。
- 厳重な監視体制:留置場内は、警察官によって24時間体制で厳重に監視されています。監視カメラも設置されており、常に状況が把握されています。
- 隔離された環境:基本的に、被疑者は個室または少人数部屋に収容されます。他の被疑者との接触機会は限られています。
- 規則の厳守:留置場内では、規則を厳守することが求められます。他の被疑者とのトラブルを起こした場合、懲罰を受ける可能性があります。
これらの理由から、留置場内で喧嘩などのトラブルが発生する可能性はかなり低いです。
留置場経験者へのヒアリングにおいても、喧嘩に発展した事例は少ないものでした。ただし、ストレスの多い中での共同生活ですので、イライラしたりすることはあったようです。
トラブル防止のための対策
留置場側の取り組み
喧嘩などのトラブルを回避するために、留置場として以下のような取り組みをしています。
- 被留置者の性格把握:被留置者の性格や嗜好を把握します。
- 適切な居室割り当て:性格から予想される相性を基に部屋を振り分けます。
- ストレス軽減のための運動時間や余暇(書籍や自弁など)の確保:ほとんどのトラブルはストレスや不安による者です。余暇や運動はストレス発散のために重要な者になります。
- 医師による定期診察(2週に1回程度):風邪などの身体トラブルもイライラするなど喧嘩のネタになることがあります。定期的な医師の診察で、体調が悪くならないようにケアしています。
被留置者への指導
必要に応じて下記のような指導を被留置者に行います。
- 規則の説明:留置場のルール
- 他者との適切な距離感
- コミュニケーションの取り方
- 不満や要望の伝え方
過去に留置場内で事件はあった?
過去には、留置場内で自殺や病状の悪化などの事件が発生した事例はあります。
しかし、被疑者同士の喧嘩による事件は少ないです。
そのような事件が起きないように、留置場での管理体制をしっかりと構築しています。
留置場内で起こりやすいトラブルとは?
喧嘩に発展することは少ないですが、留置場内で起こりやすいトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 精神的な不安定によるトラブル:長期間の拘束による精神的なストレスから、自傷行為や騒ぎを起こすことがあります。
- 体調不良:環境の変化やストレスから体調を崩すことがあります。
- 他の被疑者との口論:性格の不一致などから、他の被疑者と口論になることがあります。ただし、暴力沙汰に発展することは稀です。
実際にあったトラブル
軽微なトラブルの例
- 生活音に関する不満:独り言や大きなイビキ、居室を叩く音、変わったところだとオナラやゲップでトラブルになったことがあるそうです。
- 共用スペースの使用について:特にトイレの使用はトラブルになりやすいです。大便をする時に流しながら行わず、においがこもってしまい不快感からトラブルになったり、食事中にトイレに行ったり、トイレの使用が汚かったりするとトラブルになりやすいです。
- 個人の習慣の違い:全く接点のない人間同士の共同生活ですから、個々人の生活習慣の違いからトラブルになることがあります。特に最近は外国人の被留置者が増えていますから、今後生活習慣によるトラブルが増えていくかもしれません。
- 食事:食事を他人にあげたりもらったりすることは禁止されていますが、食事を分けることを強要したりする等のトラブルもごく稀にあります。
被留置者サイドでの対処方法
- 職員への相談:職員にまず相談すべきです。角が立たないように喧嘩になった相手に見えないところで相談するのが好ましいです。
- 居室変更の申し出:上記同様、喧嘩になった相手にバレないところで相談しましょう。
- 仲介による解決:警察官に仲裁に入ってもらうことも大切です。
万が一、トラブルに巻き込まれたら?
万が一、留置場内でトラブルに巻き込まれた場合は、すぐに警察官に報告することが重要です。
警察官が以下のような対応を適切にしてくれます。
留置場サイドでの違反行為への対応
- 注意・警告:トラブルを起こした者に警察官が注意や警告をしてくれます。
- 居室の変更:場合によってはどちらかの居室を移してくれます。暴れたり暴力が厳しい時は、稀に保護房に入ることもあります。
- 記録への記載:警察や検察では、留置場での生活状況の記録を共有しています。そこにトラブルが記録されます。ケースよっては、起訴判断や量刑、刑務所の配属に影響を与えることがあります。
留置場での生活で気をつけること
留置場では、規則を守り、他の被疑者と無用なトラブルを起こさないように心がけることが大切です。
精神的に辛い場合は、警察官に相談したり、弁護士に相談することができます。一人で溜め込まないことが大切です。
まとめ:留置場での喧嘩は意外と少ない
この記事では、留置場内で喧嘩が起こる可能性について解説しました。
厳重な監視体制や隔離された環境などから、留置場内で喧嘩が起こる可能性は低いと言えます。
もし逮捕されて留置場に入ることになっても、過度に心配する必要はありませんが、万が一喧嘩などのトラブルが起きてしまった場合は、この記事に書いたような対応を心がけるといいでしょう。