初めて逮捕されてしまった時に大きな不安と混乱に襲われるのは当然のことです。
- これからどうなるの?
- 誰に相談すればいいの?
このような疑問が頭をよぎるでしょう。
特に初めて逮捕された時に、弁護士をどう選ぶべきか混乱したという話をよく聞きます。
弁護士の選び方や活用法は、逮捕され留置場で勾留されている被疑者にとって、今後の状況を大きく左右するため慎重に検討する必要があります。
この記事では、初めて逮捕された方向けに「弁護士の選び方」「知っておくべきポイント」「活用法」「弁護士に依頼するメリット」「費用」「相談の流れ」などを分かりやすく解説します。
逮捕直後に取るべき行動:まずは弁護士への相談を
逮捕直後は、精神的に不安定になり、冷静な判断が難しくなります。そのような状況で最も重要なのは、弁護士に相談することです。
当番弁護士制度の利用
逮捕後、決まった弁護士がいないのなら、最初に利用すべきは当番弁護士制度です。
これは、1回限り無料で弁護士に相談できる制度です。
警察官に「当番弁護士を呼びたい」と伝えれば、弁護士会から派遣されます。
当番弁護士については下記の記事をご覧ください!
急な逮捕で留置場で勾留された。 そんな時に頼れるのは弁護士だけです。 でも…… そんな理由で困ってしまうことは容易に想像がつくのではないでしょうか? そんな急な逮捕で留置場に入ってしまったあなたを救う制度が「当番弁護士」 …
弁護士に相談するメリット
- 法的アドバイスを受けられる:今後の手続きの流れや、取り調べでの対応など、具体的なアドバイスを受けることができます。
- 精神的な支えになる:不安な状況で、弁護士に相談することで精神的な支えを得ることができます。
- 家族との連絡役:外部と連絡を取ることが難しい状況で、弁護士が家族との連絡役を担ってくれます。
- 示談交渉の代行:傷害や窃盗などでは、被害者への示談が早期解放の鍵となります。弁護士がその交渉をしてくれます。
- 保釈請求のサポート:万が一起訴されてしまった際に、保釈の申請をしてくれます。
弁護士の選び方:重要なポイント
当番弁護士との相談後、引き続き弁護を依頼するか、別の弁護士を探すか検討することになります。弁護士を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。
- 刑事事件の経験:刑事事件の経験が豊富かどうかは重要なポイントです。過去の事例や実績などを確認しましょう。
- 相性:弁護士との相性はとても大切です。しっかりとコミュニケーションを取り、信頼できる弁護士を選びましょう。
- 即対応できるかどうか:刑事事件は時間との戦いです。即動けるかどうかも判断するポイントになります。
- 費用:弁護士費用は事務所によって異なります。事前に費用について確認し、納得した上で依頼しましょう。
弁護士費用の目安
以下はあくまで目安になります。否認事件であったり、重大事件になるとより高額の報酬が必要になるケースがあります。
- 着手金の目安:30万〜50万円が目安です。着手金で下記費用のどの範囲までカバーしてくれるのか、確認することが大切です。
- 成功報酬:30万〜50万円が目安ですが、法律事務所毎に異なります。保釈や示談交渉の成立など成果報酬を細かく設定する場合も見受けられます。細かく確認しておく必要があります。
- 実費:かかった交通費や証拠資料などのコピー代などがかかることがあります。事務所によっては着手金でカバーしてくれることもありますので、確認が必要です。
- 接見費用:留置場での接見時に費用を取るところもあります。その場合は1―5万円ほどの費用がかかります。着手金でカバーしてくれるところもありますので、確認していくことが大切です。
- 日当またはタイムチャージ:証拠資料を確認しに行ったり、示談交渉をしたりするなど、実働した時間給または日当を請求される場合があります。その場合1時間1万円程度のことが多いようです。これも着手金でカバーしてくれることがありますので、確認しておきましょう。
- 相談料:そもそも弁護士に相談する時点でお金がかかります。1時間2万円ほどが相場です。ただし、初回相談は無料という法律事務所も多く、活用するのもいいかもしれません。
選任のタイミング
- 逮捕直後が理想的、遅くとも48時間以内:伝手がなければ当番弁護士を利用するといいでしょう。
- 家族からの依頼も可能:当番弁護士と、私選弁護人への依頼はご家族からの依頼が可能です。お金がなく、国選弁護人を利用する場合は家族が依頼することは出来ません。
弁護士の種類:私選弁護士と国選弁護士
弁護士には、私選弁護士と国選弁護士の2種類があります。
- 私選弁護士:自分で選んで依頼する弁護士です。費用は自己負担となります。
- 国選弁護士:勾留された後、資力が50万円に満たず弁護士費用の負担能力がないと判断された場合に国が費用を負担して選任してくれる弁護士です。
逮捕直後は当番弁護士制度を利用し、その後は資力に応じて、私選弁護士または国選弁護士を選択することになります。
国選弁護人について詳しくはこちらの記事をご覧ください!
逮捕され、留置場で勾留されることになった場合、「弁護士を雇うお金がない…」と不安に感じる方は少なくありません。 そんな時に頼りになるのが「国選弁護人制度」です。 この記事では、お金がなくて困っている方のために、国選弁護人制度の仕組み、利用条件、手続きなどをわかりやすく解説します。
弁護士への連絡方法
初回相談時の準備
弁護士への相談は、電話やメールで予約するのが一般的です。
- 逮捕の状況の説明:相談前に、事件の概要や聞きたいことをまとめておくと、スムーズに相談できます。
- 容疑内容の説明:事実を正確に伝えることが重要です。また、疑問点は遠慮せずに質問しましょう。
- 基本的な質問事項:先に挙げた、弁護士の選び方で挙げた内容を参考にしてください。
- 予算の相談:報酬については意外なところで多額の費用がかかるケースがありますので、細かいところまで確認しましょう。現実的に払える金額をあらかじめ提示しておいてもいいでしょう。相見積もりすることも大切です。
弁護士に依頼するメリット:具体的な事例
弁護士に依頼することで、以下のようなメリットが期待できます。留置場経験者から聞いた事例をご紹介します。
ここに挙げた以外にも、刑の軽減に寄与してくれるなど、弁護士に依頼するメリットはとても大きいです。
早期の釈放
- 勾留決定後、弁護士が裁判所に対して勾留決定への準抗告(不服申立て)をしてくれたので、勾留決定の翌日に留置場から出ることが出来ました。
- 示談交渉を速やかに行なってくれたので、4日間で出ることが出来ました。
保釈
- 残念ながら起訴されてしまいましたが、保釈申請をしてくれて、起訴から3日後に出ることが出来ました。
- 共犯もいるので保釈が難しいと思っていましたが、弁護士が電話で裁判官に掛け合ってくれて、無事保釈されました。
不起訴の獲得
- こまめな接見を通じて方向性を確認しながら取り調べに臨むことが出来たので、起訴されずに済みました。
まとめ:不安な時は迷わず弁護士に相談を
初めての逮捕は、誰にとっても大きな不安と混乱をもたらします。
そのような時は、迷わず弁護士に相談することが大切です。
弁護士は、法的アドバイスだけでなく、精神的な支えにもなってくれます。
この記事が参考になれば幸いです。