逮捕・勾留された後、取り調べや手続きのために「地検(地方検察庁)」へ移送されることになります。
特に「東京地方検察庁」は、全国でも規模が大きく、多くの被疑者が訪れる場所です。
そこで気になるのが、長時間滞在することになる「同行室」の環境や、トイレ事情ではないでしょうか?
本記事では、東京地方検察庁のトイレ事情について詳しく解説します。
東京地方検察庁の同行室とは?
地検に到着した被疑者は、すぐに検察官の取り調べを受けるわけではありません。手続きや順番待ちのため、「同行室」と呼ばれる待機室で長時間待つことになります。
同行室には複数の被疑者が収容され、また、設備は非常にシンプルです。基本的に木製の長椅子のみ設置されており、居心地の良い空間とは言えません。
東京地方検察庁の同行室の特徴
同行室は、被疑者が取り調べを待つ場所です。以下の特徴があります:
- 構造
- 男性用と女性用に分かれている
- 15〜20部屋ほど(女性用は6部屋程度らしい)。金属扉で覆われた監獄のような部屋。
- 1部屋に約10人を収容(最大12人)。10人でも横の人との距離は10cm程度。
- その他、単独送用の房がある。
- 設備
- 左右に木製の長椅子が設置されている
- トイレについては後述する。
- ルール
- 会話禁止
- 横になること禁止
- むやみに歩き回らない
- 両手に手錠
同行室のトイレ事情
地検の同行室におけるトイレ事情は以下の通りです:
- 設置場所
- 同行室の各部屋毎に一つ設置。
- 部屋の奥にトイレと洗面台がある。
- 構造
- 洋式便所。
- 腰高の簡易的な仕切りのみで、個室状にはなっていない。
- 仕切りも低く、臭いもこもるため、留置場より評判が悪い。
- 衛生面
- 石鹸や消毒薬などは置いていないため、衛生面の課題が大きい。
- 鼻を噛むときは、洗面台を使うか、トイレットペーパーをもらってトイレに流す。いずれにしても感染リスクは高い。
- トイレをした後や、鼻を噛んだ手のまま蛇口を使い、洗われることがないため、衛生面で課題がある。
- 喉が渇いたときは、その洗面台で水を飲まなくてはいけない。コップはなく、手酌で飲む。
- そのような状況であることに加え、同室に風邪っぽい人が大体1〜2割ほどいることが多く、地検で風邪をうつされてしまう人が割にいる。
- 使用方法
- 出入り:トイレへの出入りは自由。
- 手洗い:手洗いの水は飲み水として使われるが、石鹸や消毒液もないため、衛生面がとても不安。
- 小便時:小便の際は、両手錠のまま使用する。
- 大便時:大便時のみ、警察官に申告し、片手錠にしてもらうことが出来る。また、トイレットペーパーは設置されていないので、必要量を同時にもらう必要がある。
- 時間制限:昼食時のトイレ利用は不可。
- 注意点
- トイレの蓋の扱い:トイレの蓋を閉める時、手を添えていないと「ガタン」と大きな音が鳴ってしまう。警察官に怒られる上に、喧嘩の原因にもなるため、注意が必要。
- トイレの出入り:トイレの出入りの際に、扉に手を添えてゆっくり閉める必要がある。バネ式の扉のため、扉が跳ねてしまうため。手を添えないと、警察官に怒られる上に、喧嘩の原因にもなるため、注意が必要。
- プライバシー:仕切りが低く、プライバシーが完全には確保されないため、注意が必要。
- 臭い:基本的に換気が効いていないため、大便の際には、水を流し続けないと臭いがこもってしまう。そのルールを守らずに代弁してしまうと、喧嘩の原因になるので注意が必要。
東京地方検察庁の同行室のトイレを描いてみた
上手に描けなかったので、敷居が高く見えてしまいますが、腰高程度となります。
東京地方検察庁への移動
- 護送バス
- 男性用16系統、女性用2系統
- 警察署を順番に回って被疑者を乗せる
- 帰りは、息の逆のルートで送ることが多い
- 出発時間は、警察署毎に異なるが、7時〜8時の間が多い
- 到着時間
- 通常、午前9時〜午前10時30分までには到着する
- 移動経路
- 大型エレベーターで地下2階へ
事前にできる対策
- 留置場出発前にできるだけ、トイレを済ませておく
- 大便の際のストレスが大きいので、留置場でなるべく済ませてから地検に行く。
- 心理的に落ち着くことを意識する。ストレスでお腹が緩くなってしまう人は特に意識するといいでしょう。
まとめ
東京地方検察庁の同行室にはトイレがありますが、プライバシーが守られにくく、利用には地検独特のルールや注意点があるため、快適とは言い難い環境です。
しかも、基本的に8時間ほどの長い時間を待機しなくてはならないため、事前に準備をしておくことが重要です。
これから東京地方検察庁へ行く可能性がある人や、家族・知人が勾留されている方は、この情報を参考にし、心の準備をしておくとよいでしょう。
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