
留置場での生活には、多くの決まりごとやルーティンがあります。
その中でも「点呼」は、一日の中で何度も行われる重要な日課の一つです。
家族や知人が留置場に収容されている方、あるいは自分自身が留置される可能性がある方にとって、点呼の実態を知ることは不安を軽減する一助となるでしょう。
本記事では、留置場での「点呼」について詳しく解説します。点呼の目的や流れ、作法まで、知っておきたい情報をまとめました。
留置場とは?基本情報のおさらい
留置場(りゅうちじょう)とは、警察署内に設置された施設で、主に逮捕された被疑者が勾留(こうりゅう)される場所です。
本来は刑事施設である拘置所で被疑者・被告人を収容するべきですが、日本では「代用監獄」制度により、警察署内の留置場が拘置所の代わりとして使用されています。
留置場では、逮捕から最大23日間の勾留が可能で、この間に取り調べや捜査が行われます。
ここでの生活は厳格に管理されており、その一環として「点呼」が実施されています。
「留置場って一体どんなところ?」 「警察署にあるって本当?」 「怖い人がいるの?」 「刑務所と何が違うの?」 逮捕された場合、最初に身柄を拘束される場所である留置場について、疑問や不安を持っている方も多いことでしょう。 この記事では、「留置場」とは何かについて、徹底的に解説していきます。 場所、環境、生活、刑務所や拘置所との違い、よくある疑問などを網羅的に解説することで、あなたの不安を解消していきます。
留置場での点呼の目的
留置場での点呼には、主に以下の目的があります。
- 在室確認:
- 被留置者が確実に房内にいるかを確認します
- 安否確認:
- 健康状態に問題がないかを確認します
- 規律維持:
- 秩序を保ち、規則正しい生活を送らせるためです
- 防犯・自殺防止:
- 自殺企図や脱走、不正行為を防止します
- 人員把握:
- 施設内の人員を正確に把握するためです
点呼は単なる形式的な行事ではなく、被留置者の安全を守り、施設の秩序を維持するための重要な役割を担っています。
留置場での点呼の種類と時間帯
留置場での点呼は、主に以下の種類があります。
1. 定期点呼
一日に複数回、決まった時間に行われる点呼です。一般的な時間帯は:
- 朝点呼:起床後(通常6:30過ぎ)
- 午後点呼:午後の留置担当官の交代のタイミング(15:30頃)
- 就寝点呼:消灯前(21:00頃)
2. 臨時点呼
以下のような状況で不定期に行われることがあります:
- 施設内でトラブルが発生した時
- 施設の検査や視察がある時
- 緊急事態が発生した時
3. 抜き打ち点呼
不正行為の防止や規律維持のため、予告なく行われることもあります。
点呼の実施方法と流れ
留置場での点呼は、おおむね以下のような流れで行われます。
- 点呼の開始:
- 留置担当官が「点呼」と告げます。
- 準備:
- 被留置者は活動を中止し、指定された場所(自分の持ち番号に即した場所)に「あぐら」または「正座」で座ります。
- 手のひらを見せるように、太ももの上に手を置きます。
- 書籍や便箋、写真、接見ノートなど、室内に持ち込んでいる物品を自分の正面に置いて、留置担当官が確認できるようにします。
- 確認:
- 留置担当官が各房を巡回し、被留置者の状態と扉の施錠を確認します。
- 応答:
- 自分の持ち番号を呼ばれたら「はい」と大きく返事をします。
- 健康状態の確認:
- 留置担当官が目視で体調不良などを確認します。
- 体調不良は、都度留置担当官に申告しましょう。
- 点呼終了:
- 全ての確認が終わると点呼終了が告げられ、通常の活動に戻ります
施設によって多少の違いはありますが、基本的な流れは上記の通りです。
点呼時の作法やルール、注意点
留置場での点呼には、以下のような作法やルール、注意点があります。
- 姿勢:
- 「あぐら」または「正座」で座り、姿勢を真っ直ぐに保ち、手のひらを見せるように両手を太ももの上に乗せます。
- 返事:
- 名前を呼ばれたら、はっきりと「はい」と応答します
- 態度:
- 真面目な態度で臨み、笑ったり、姿勢を崩したり、他の被留置者と話したりしないよう注意します
- 位置:
- 持ち番号の順番に座る場所が決められています。
これらの作法は、施設の秩序を維持するために重要であり、守らないと注意や場合によっては懲罰の対象となることもあります。
また、初めての留置場では緊張するかもしれませんが、点呼は毎日の決まった行事です。落ち着いて対応しましょう。
点呼に関するよくある質問
Q1: 点呼に遅れるとどうなりますか?
A1: 居室にいますので、点呼に遅れることはありません。ですが、書籍を指定の場所に置く・点呼の姿勢を取るなどの準備を怠ると注意されてしまいます。そのような点呼の準備を怠ると懲罰扱いになることがあります。
体調不良などの正当な理由がある場合は、事前に留置担当官に伝えておくことが大切です。
Q2: 点呼の際に質問や要望を伝えることはできますか?
A2: 基本的には出来ません、基本的に相談は、点呼以外のタイミングで留置担当官に申し出るのが適切です。
Q3: 体調が悪くて起き上がれない場合はどうすればいいですか?
A3: 体調が悪くて立てない場合は、事前に留置担当官に伝えておきましょう。返事をするだけでもいいと配慮してくれる場合も多いです。また、病状が悪いと留置担当官が判断したときは、医療措置を取ってくれます。
Q4: 夜間の点呼でいちいち起こされるのは辛くないですか?
A4: 夜間に点呼はありません。ですが、見回りはあります。見回りは寝ている被留置者を起こさずに行われます。留置担当官が房内を確認し、明らかな異常がなければそのまま通過します。
Q5: 点呼を故意に無視するとどうなりますか?
A5: 点呼を故意に無視すると、規律違反として扱われ、懲罰で個室に移動になるなどのペナルティが課されることがあります。また、自殺企図などを疑われて緊急対応が取られる場合もあります。
まとめ:留置場の点呼を理解して不安を解消しよう
留置場での点呼は、被留置者の安全確保と施設の秩序維持のために行われる重要な行事です。一日に複数回行われ、決められた作法やルールがありますが、基本的には名前を呼ばれたら「はい」と返事をするだけのシンプルなものです。
留置場生活の不安を少しでも減らすためには、点呼のような日常ルーティンを理解しておくことが大切です。本記事が、留置場に関わる方々の不安解消の一助となれば幸いです。
留置場での生活には、点呼以外にも様々なルールや決まりごとがあります。家族や知人が留置場に収容される可能性がある場合は、事前に基本的な情報を知っておくことで、精神的な不安を軽減できることでしょう。
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