
逮捕・勾留は突然やってきます。
ですから、運転免許の更新に行く予定日より前に留置場で勾留されてしまうこともあります。
また、
「留置場で勾留されている時に運転免許の更新が期限を迎えてしまった」
「更新期限が過ぎてしまった」
「どうしたらいいかわからない」
といったことも起こり得ます。
免許証は身分証明書としての利用も多く、万が一失効してしまった時の不便さや、再取得にかかる費用は馬鹿になりません。
この記事では、留置場での勾留中に免許更新がどうなるかについて詳しく説明し、具体的な対策を紹介していきます。
留置場での免許更新は可能か?
結論から申し上げると、留置場内での更新は不可です。留置場内では免許更新手続きを行うことはできません。
逮捕・勾留中は外に出ることができないため、免許の有効期限が過ぎてしまうことがあります。
免許の失効と再取得
失効の影響
免許が失効すると、再取得するまで運転はできません。運転してしまうと無免許運転となり、違法行為となってしまいます。
万が一、免許の更新期限を過ぎてしまった場合、失効後6か月以内に手続きを行えば、学科試験と技能試験が免除されます。
再取得手続き
失効後6か月以内に適性試験と講習を受けることで免許を再取得できます。この期間に手続きをすれば、ゴールド免許などの運転歴も引き継がれます。
ただし、失効から3年を超えると試験の一部免除は受けられません。
再取得手続きの流れ
以下は、免許再取得の手続きの流れです。
- 申請::運転免許試験場または指定警察署で失効した免許の再取得申請を行います。
- 必要書類の提出::有効期限が切れた運転免許証、申請用写真、本籍が記載された住民票の写し、手数料などを提出します。
- 適性試験::視力・聴力・運動機能を確認する適性試験を受けます。
- 講習::指定の講習を受講します。
- 免許証作成・交付:手続きが完了すると新しい免許証が交付されます。
やむを得ない理由と免除
やむを得ない理由
留置場での勾留は「やむを得ない理由」として認められます。
失効後3年以内であれば、技能試験と学科試験が免除されます。ただし、適正試験は受ける必要があります。
留置場で長期にわたって勾留されることはありますが、長期勾留の大半が1年程度です。3年もいることはないので、免許の更新は十分可能です。
ただし、実刑を受けて3年以内に出所できない場合は、刑務所の中で更新することが可能です。
※その場合は、住所と写真が刑務所内になってしまうことが欠点です。一から免許を取得する人も多いようです。
証明書の提出が必要
やむを得ない理由を証明する書類(この場合は在監証明書)を提出することで、免除を受けることができます。
失効から6ヶ月〜3年以内の場合の具体的な免許再取得手続きについて
失効から6ヶ月を超え、3年以内であれば、「やむを得ない理由」がある場合に限り、免許を再取得することができます。以下にその手続きを説明します。
やむを得ない理由の認定
やむを得ない理由
病気、海外旅行、逮捕・勾留など、法的に定められたやむを得ない理由が必要です。
必要な手続き
- 申請
- 必要書類の提出:
- 適性試験
- 講習
- 免許証作成・交付
注意点
手数料
再取得する免許種別や講習区分によって異なりますので、受付窓口で確認してください。
免許の色
やむを得ない理由がある場合、免許の色(ゴールドなど)が引き継がれます。
「やむをない理由」での免許再取得のまとめ
失効から6ヶ月を超え、3年以内であれば、「やむを得ない理由」がある場合に限り、適性試験と講習を受けることで免許を再取得できます。
念のため、再取得の前に、具体的な手続きや必要書類については、各都道府県の警察署や運転免許試験場で確認することが大切です。
失効から3年を超えた場合の免許再取得手続き
刑務所に在監している場合は免許の更新ができますが、刑務所内での更新をしなかったり、留置場から出た後に更新手続きを取らず、失効から3年を超えた場合はどうなるのでしょうか?
この場合は、新規での免許取得となり、再び免許試験を受験する必要があります。
基本的には二つの流れがあります。
どちらの方法で再取得するか
取得方法
運転試験場や運転免許センターでの「一発試験」を受けるか、教習所に通って再取得するかの2択となります。
ただし、「一発試験」の合格率は5%程度と言われており、かなり難易度が高いです。
「一発試験」受験の流れ
- 必要書類の準備
- 申請用写真
- 身分証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
- 本籍が記載された住民票(外国籍の場合は在留カードなど)
- 免許センターでの受付
- 運転免許センターで受付手続きを行います。受験料や車両使用料を支払います。
- 適性試験
- 視力検査、色彩識別能力検査、聴力検査、運動能力検査などを受けます。
- 仮免許学科試験
- 交通ルールに関する知識を問う50問の試験で、45問以上正解すると合格です。
- 仮免許技能試験
- 試験場内コースで運転技術を評価します。100点中70点以上で合格です。
- 路上練習
- 仮免許取得後、1日2時間、計5日間の路上練習が義務付けられています。指導者を同乗させ、「仮免許練習中」の標識を付ける必要があります。
- 本免許学科試験
- 文章問題90問とイラスト問題5問で、90点以上で合格です。
- 本免許技能試験
- 公道での運転技術を評価します。100点中70点以上で合格です。
- 取得時講習
- 高速講習、危険予測講習、応急救護処置講習を受講します。
- 免許証の交付
- 全ての試験と講習を終えると、運転免許証が交付されます。
注意点
- 受験条件: 満18歳以上で、視力要件を満たしている必要があります。
- 受験料: 仮免許試験と本免許試験の受験料や車両使用料が必要です。
- 合格率: 一発試験の合格率は5%程度と低く、十分な準備が必要です。
- その他:受験者の大半が免許失効などの運転経験者であることを考えると、難易度が高く、安易に選択しにくい方法とも言えます。
結論
一発試験は、教習所に通わずに短期間かつ費用を抑えて免許を取得できる方法ですが、合格率が5%程度と難易度が高く、十分な準備と練習が必要です。
免許試験場教習所への通学する際の流れ
自動車教習所に通い、教習を受けていきます。
教習所では、運転技術だけでなく、交通法規や安全運転の知識も再び学んでいきます。
免許試験の受験
教習所を卒業後、運転免許試験場で学科試験と技能試験を受験します。両方の試験に合格する必要があります。
免許証の交付
試験に合格すると、新しい免許証が交付されます。
必要な書類と手数料
- 必要書類
- 身分証明書(健康保険証、マイナンバーカードなど)、申請用写真、本籍地を記載した住民票の写しなど。
- 手数料
- 教習所の授業料や試験手数料が必要です。具体的な金額は教習所や試験場によって異なります。
注意点
- 再取得の難易度
- 一から教習所に通う必要があるため、時間とコストがかかります。また、試験に合格するまで何度も挑戦する必要がある場合もあります。
- 免許の種類
- 普通自動車免許や大型自動車免許など、取得したい免許の種類によって教習内容や試験内容が異なります。
結論
失効から3年を超え、教習所での再取得を選択した場合、教習所で運転技術を学び、免許試験に合格する必要があります。
手続きには時間とお金がかかるため、早めに計画しておくことが大切です。
留置場での免許更新についてのまとめ
留置場での勾留中に免許更新が期限を過ぎてしまうことは避けられない場合がありますが、「やむを得ない理由」として再取得手続きが簡素化されます。
釈放後、在監証明書を用いて免除を受け、適性試験と講習で免許を再取得することができます。
ですが、3年を過ぎてしまった場合は、新規での取得となってしまい、お金も時間もかかってしまいますので、忘れずに免許を更新するようにしましょう!
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