留置場で勾留されている人は、一体どのような罪で勾留されることになったのでしょうか?
留置場で勾留されている被疑者は一体どのような罪状で囚われているのでしょうか?
本記事では留置場経験者からのインタビューを基に、その実際についてお話ししていきます!
留置場で勾留される人々の主な罪状
留置場には、さまざまな犯罪で逮捕された人々が収容されています。
以下に、よくある罪状をご紹介していきます。
1. 窃盗罪
簡単にまとめると以下のようになります。
- 他人の財物を盗む行為が対象。
- 店舗からの万引き、自転車や自動車の窃盗、空き巣などが典型例です。
刑法では以下のように規定されています。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
出典:G―GOV法令 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条
以前反省の意を示せば見逃してくれることもありましたが、最近はスーパーなどのチェーン店を中心に、必ず通報するという対応をしているところも多いため、以前よりも留置場で勾留されているケースが増えているようです。
概ね弁護士を仲介して示談交渉することが多い罪状です。示談が成立すれば、成立した日に留置場から出られることが多いです。
示談ができなかった場合、初犯であれば多くの場合、略式起訴での罰金刑となります。悪質な場合は起訴されますので、注意が必要です。また、暴行が加わればより量刑は重たくなります。
2. 暴行罪・傷害罪
厳密には暴行罪と傷害罪には明確な違いがあります。簡単に言えば、暴行の結果、怪我をしたり精神的な不調をきたしたりした場合は傷害罪になります。怪我まで至らなければ暴行罪が適用されます。法律的根拠は下記の通りです。
(傷害)
第二百四条人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
出典:G―GOV法令 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条
(暴行)
第二百八条暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
出典:G―GOV法令 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百八条
簡単に言えば、下記のようになります。怪我や精神的ダメージを負わせてしまった場合は、傷害罪となります。
- 他人に対して暴力を振るった場合に問われる罪。
- 喧嘩やDV、酒に酔ってのトラブルなどが含まれます。
暴行罪で留置場での勾留になるケースは傷害罪より正直少ないです。傷害罪の場合は逮捕され、留置場で勾留されることが大半です。
どちらにせよ、窃盗罪同様、示談の成立を目指すのがセオリーになります。
3. 薬物関連犯罪
留置場経験者からの話によると、留置場で勾留されている方の中で薬物を原因とする方は多いそうです。特に大麻と覚せい剤が多いようです。
- 覚せい剤取締法や大麻取締法(2024年12月12日より麻薬取締法)に違反する行為。
- 覚せい剤の所持・使用・販売、大麻の所持・栽培・販売などがよくある事例です。
- 2024年12月12日から大麻使用についても違法となります。また、麻薬取締法によって取締られることになり、厳罰化されています。
薬物関連に対しての態度は非常に厳しいものです。留置場での勾留期間もほとんどの被疑者が20日間(逮捕を含めれば23日間)に及びます。
なるべく早く弁護士に連絡して、対応してもらうことが大切です。
4. 詐欺罪
詐欺は人を騙して財物を得る行為のことを言います。
具体的には下記のような行為です。
- 他人を欺いて財産を奪う行為。
- 振り込め詐欺、投資詐欺、架空請求などが挙げられます。
最近は、振り込め詐欺などの特殊詐欺が増え、社会的問題となっているため、量刑自体も厳しくなっています。
(詐欺)
第二百四十六条人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
出典:G―GOV法令 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四十六条
留置場経験者によると、特殊詐欺などで逮捕された場合、留置場に1年以上いるケースもしばしばあるそうです。
詐欺には手を出さないようにしましょう。
5. 性犯罪
留置場経験者からの話によると、性犯罪は留置場に勾留されている被疑者の罪状で比較的多く見かけるものだそうです。
- 強制(不同意)性交等罪や強制(不同意)わいせつ罪や迷惑防止条例違反など。
- 性的な嫌がらせや盗撮行為も含まれます。
- 不同意性交罪も増えているようです。
基本的には示談での解決を目指すものとなります。被害者の身体的・精神的ダメージも大きく、厳罰化が進んでいます。
6. 殺人罪・殺人未遂罪
留置場経験者からの話によると、殺人未遂罪や殺人罪は留置場で勾留されている罪状でしばしば見かける罪状だそうです。
(殺人)
第百九十九条人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
出典:G―GOV法令 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百九十九条
殺人罪はもちろん思い量刑が下されますが、殺人未遂罪についても3−7年という重たい量刑が下されます。
7. ビザ切れ(オーバーステイ)
外国人労働者の増加と共によく見かけるようになったのが、ビザ切れによるオーバーステイです。留置場経験者によると、多いときは留置場の半数以上が外国人になる時があるそうです。
外国人による犯罪も増えていますが、一番多いのがビザ切れによるオーバーステイです。
オ―バ―ステイは以下のように重い量刑とともに、退去強制処分となり、最低5年間は日本に入国できなくなってしまいます。※自ら入国管理局に出頭した場合を除く。
第七十条次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
出典:G―GOV法令 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号) 第七十条
留置場の部屋は基本的に相部屋となる
留置場で勾留された場合、上記ような様々な容疑を持つ人との相部屋になります。
例外は、有名人であったり、ニュースで流れるような凶悪犯罪を行った人、懲罰を受けている人については、単独房で周囲と接することなく過ごす場合もあります。
相部屋のメリットは下記の通りです。
- 会話ができるため寂しさが紛れる
- 退屈を凌ぎやすい
- 情報が得られる
- 同室の人との相性が良ければ楽しい留置場生活になり得る
それに対して、相部屋のデメリットは下記の通りです。
- 同室の人との相性が悪いと、ストレスの多い辛い留置場生活になってしまう。
まとめ
本記事では、留置場に勾留されている人がどのような罪で囚われているのか? 代表的な罪状についてお話ししてきました。
留置場では本記事で挙げたような様々な罪状の被疑者が共同生活を強いられる場でもあります。
どのような人がいるのかを知ることは、留置場生活のイメージを作るためにも役立つのではないでしょうか?
留置場での生活についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください!
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