留置場に入ることは、多くの人にとって恐怖や不安を伴う出来事です。
しかし、留置場でも何らかの「楽しみ」や「心の支え」を見つけることで、少しでも精神的な負担を軽減することが可能です。
本記事では、留置場での生活における「楽しみ」の実態や、それをどう見つけるかについて詳しく解説します。
留置場で楽しみを見つける重要性
留置場での生活は自由が制限され、孤独感やストレスを感じる場面が多いとされています。
しかし、その中で小さな楽しみを見つけることは、心の安定や精神的な健康を保つ上で非常に重要です。
留置場での意外な楽しみ
厳しい環境の中でも、以下のような小さな楽しみを見つけることができます:
- 読書の時間
- 留置場内で小説や六法全書を借りて読むこともできます(官本)
- 差し入れで本を受け取れば、読書を楽しむことができます(自本)
- 音楽鑑賞
- 昼食後に10〜20分ほど音楽が流れます
- 懐メロを中心に様々なジャンルの音楽を楽しめます
- 運動の時間
- 平日は毎朝、運動の時間が設けられています
- コンクリ―トの壁で覆われていますが、外気と陽光を浴びることのできる貴重な機会です
- この時間に他の被留置者や警察官(留置担当官)と雑談をする機会があります
- 手紙を書く
- 家族や友人に手紙を書くことで、気持ちを整理したり、コミュニケーションを取ったりすることができます
- 入浴
- 週に1〜2回程度、入浴の機会があります
- 小さな銭湯ほどの大きさがあるので、気持ちよく入浴することができます。
- リフレッシュし、清潔になれる喜びを得られます
- 差し入れ
- 家族や知人からの差し入れは大きな楽しみの一つです
- 本や衣類など、制限はありますが必要なものを受け取れます
- 面会
- 家族や知人との面会はとても楽しみなものです
- 面会日を事前に知っているととてもワクワクするそうです
- 面会後元気になったという体験談も多く聞かれます。
- 食事(特に自弁)
- 食事の時間はとても楽しみになものです。ただし味は期待できません(官弁)
- お金を払うことで、外部の弁当やスイーツを頼むことができます。官弁よりも美味しく、自弁は勾留中の生活の大きな楽しみの一つです
- 他の被疑者との交流
- 意外に思われるかもしれませんが、他の被疑者(特に同室)との交流は大きな楽しみの一つです。同室のメンバーとの相性がいいと、辛い留置場生活がかなり楽になります。
- 留置担当官との交流
- 意外に思われる方が多いですが、留置担当官(警察官)との交流は留置場生活の中での大きな楽しみです。捜査とは切り離されているため、他の被疑者には話せないような悩み事やプライバシー的な相談も安心して出来ます。
- 弁護士との交流
- 弁護士との相性が良いと接見自体が楽しみになりますし、警察官の立ち会いなしに何でも話せて相談できる相手というのは、留置場生活の中では弁護士だけとなります。そのため、いい弁護士が担当してくれた場合は、頼もしく、心理的にも安定しやすくなります。
- 刑事の取り調べ
- 刑事との相性が良ければ、取り調べ自体が楽しみになります。ただ、こちらについては担当刑事との相性や、事件の内容にもよるので一概に言うことはできません。
- 地検や裁判所に向かうバスから見える風景
- 地検や裁判所には、警察のバスで向かいます。途中でいくつもの警察署に立ち寄りますので、多くの場合、1〜2時間ほど乗車します。外界から遮断され、コンクリートの壁しか見えない生活をしていますので、日常の風景が見られるバスの時間は大きな楽しみの一つとなります。
- 地検しか出ないジャム
- 留置場生活の小さな楽しみの一つに、地検限定ジャムというものがあります。これは、警視庁管内の話ですが、留置場では出ないジャムが、地検や裁判所では出てきます。地検限定ジャムがでたら当たり、出なければハズレ、のようにして楽しむことができます。
留置場で楽しみを見つけることがもたらす効果
楽しみを見つけることで、ストレスを軽減し、心の健康を保つことができます。
また、前向きな気持ちを持つことで、留置場での生活を乗り越える力を養うことができます。
留置場での楽しみを見つける方法
その1:日々のルーティンを作る
規則正しい生活は、精神的な安定に繋がります。
例えば、
- 毎日決まった時間に読書をする
- 手紙を書く
- 決めた時間に瞑想をする
- 筋トレなどの運動をする
- 自弁を食べる時間を決める
等々…。
このようなルーティンを作ることで、心の平穏を保つ助けになります。
その2:ポジティブな視点を持つ
留置場での生活は制約が多いものの、その中でもポジティブな面を見つける努力が重要です。
たとえば、「家族からの手紙を待つ時間が楽しみ」といった小さな目標を持つことが役立ちます。
その3:他人と支え合う
- 留置場では、同じ状況にいる他の人々との交流が励みになることがあります。共感し合い、励まし合うことで、孤独感を軽減できます。
- 留置担当官との交流も支えになることがあります。刑事と違い、捜査権限がなく、捜査から独立した存在なのが留置担当官です。基本的に中立な立場ですから、悩みや心配事があれば相談すると良いでしょう。
- 面会を活用しましょう。家族や知人との面会ほど励みになるものはありません。ただし、1日1組限定かつ15〜20分の制限がつけられる点に注意しましょう。
- 弁護士との交流も心の支えとなります。特に逮捕から72時間以内や接見禁止がついている場合などは、弁護士以外の外部の人間から遮断されてしまいます。そんな中でも弁護士との接見はいつでも可能ですし、時間制限もありません。被疑者との相性のいい弁護士ほど、助かるものはありません。良い弁護士を探すことが大切です。
- 家族や知人などの手紙は大きな楽しみであり、ポジティブな感情を生み出す源泉にもなります。ホリエモンもその手記の中で、気分が落ち込んだ時に届いた友人から手紙に元気をもらったと書いています。それくらい被疑者にとって大きな支えとなるのが手紙です。
- 差し入れを楽しみにするのも辛い留置場生活を乗り切る大きなモチベーションの一つです。特に書籍や雑誌、クロスワードパズルなどの余暇を過ごすための差し入れや、自弁購入のための現金の差し入れは助かりますし、辛さを紛らわせることが可能です。
留置場生活で特に辛いこと:経験者の声
留置場経験者からは、
- 「時間が経つのが遅く感じる」
- 「精神的に不安定になった」
- 「孤独で辛かった」
- 「取り調べが辛かった」
などの声が聞かれます。
留置場での生活は経験者の言葉から分かる通りに辛いものです。ですが、辛さに気持ちがフォーカスしてしまうと、強い拘禁反応が起こり、鬱症状や最悪のケースでは自殺企図を引き起こすことすらあり得ます。
ですから、今まで書いてきたような小さな楽しみを見つけ、辛い気持ちから気分を逸らしていくことが大切です。
👉関連記事 >> 留置場は辛い? 経験者が語る実情と乗り越え方|不安解消ガイド
まとめ
留置場での生活は決して容易ではありませんが、その中でも楽しみを見つけることは可能です。
読書や手紙のやり取り、他の被留置者との交流、食事や運動といった日常の小さな瞬間に目を向けることで、少しでも心の平穏を保つことができます。
不安な気持ちや疑問がある場合は、他の記事も参考にしてみてください。
留置場での生活を理解し、少しでも不安を和らげるための参考になれば幸いです。
「留置場って一体どんなところ?」 「警察署にあるって本当?」 「怖い人がいるの?」 「刑務所と何が違うの?」 逮捕された場合、最初に身柄を拘束される場所である留置場について、疑問や不安を持っている方も多いことでしょう。 この記事では、「留置場」とは何かについて、徹底的に解説していきます。 場所、環境、生活、刑務所や拘置所との違い、よくある疑問などを網羅的に解説することで、あなたの不安を解消していきます。