留置所のトイレ事情:その実態を徹底解説!

留置所のトイレ事情はどのようなものか。気になる方も多いことでしょう。本記事では、留置所のトイレの実際についてお話ししてきます。


留置所のトイレはどこにあるのか?

留置場の居室でのトイレの配置:事例

留置所のトイレは、絵に描いたように部屋の中に設置されています。被疑者がトイレに隠れることを防ぐため、トイレには窓が作られていて、外から見えるようになっています。トイレの構造的な特徴は以下の通りです。

  • 外から見える構造:壁で仕切られてはいますが、トイレの中での自殺を防ぐなど管理上の理由で窓がつけられています。そのためプライバシーを完全には確保できません。
  • 簡易トイレのような構造:多くは和式トイレや簡易便器が採用されています。
  • 凹凸の少ない構造:自殺防止や武器転用を防ぐ管理上の目的で、トイレの中は絵に描いたように凹凸の少ない構造をしています。例えば、和式便器は真っ平らに作られていますし、トイレを流すときはレバーではなく、ボタン式になっています。

留置場のトイレの例(和式)

実際の留置場の和式トイレは以下のような作りになっていることが多いようです。

先ほどお話ししたように、凹凸が少なく、便器もフラットです。トイレの水を流す時はボタンを押して流します。

水を流すレバーを用いない理由は、自殺防止だけでなく、取り外して武器になる可能性を防ぐためだという説もあるようです。

留置場の和式トイレの例

留置場のトイレの例(洋式)

留置場の洋式トイレの実例を見てみましょう。

基本的な構造は和式と同じです。

普通の洋式便座との違いは以下の2点です。

  • 蓋がない
  • 座面がない

基本的に留置場のトイレは和式です。洋式トイレのある部屋は高齢者が優先して入ることが多いようです。

留置場の洋式トイレの例

留置所のトイレ事情:具体的な体験談

実際に留置所で生活した人々の体験談をもとに、トイレ利用の実態を見ていきましょう。

1. プライバシーについて

トイレに窓がついていて、プライバシーを完全に確保することは出来ません。ですが、完全に中が見えるほどではないので、そこまで気になることはないようです。

2. 匂いと衛生環境

トイレの掃除は毎日部屋のメンバーで行っているため、清潔は保たれていますが、換気が悪く臭いが篭りやすい欠点があります。大便をした際には、同室だけでなく隣の部屋まで匂ってしまうことがあるそうです。

そのため「大便をする時は水を流しながら行うこと」が徹底されているそうです。トイレの水を流すことで匂いをかなり減らすことが出来ます。

地検でも大便時にトイレの水を流すことを指導されるそうです。


留置所でのトイレ利用時に気をつけること

トイレを利用する際には、以下の点を注意することが求められます。

  1. トイレ掃除をしっかり行う
    朝の清掃の時間にトイレ掃除を行います。掃除は部屋のメンバー間で交代して行います。しっかり掃除をしないと、清潔面だけでなく、部屋のメンバーからネガティブな対応をされることもあります。しっかりと丁寧に掃除をしましょう。
  2. ルールを守る
    トイレの使用については明文化されていませんが、下記のような暗黙の了解があります。
    ・大便の時は水を流しながら行う
    ・ちり紙が減っていたら、トイレを使った人間がちり紙の補充をする。
    ・汚れたら、汚した人間が都度掃除する。
  3. 周囲への配慮
    特に共同部屋では、他の収容者への配慮が求められます。長時間のトイレや、使用上のルールの遵守、丁寧な掃除は留置場生活を円滑に進めるためにも必要となります。

留置場のトイレにおける衛生面

留置場のトイレにおける衛生面は、一般的な衛生面を考えるとかなり微妙です。その実際をお話しします。

石鹸やアルコール除菌など

トイレをした後に手を清潔にしてくれる、石鹸やアルコール除菌などの使用は出来ません。除菌シートみたいなものも使えません。

トイレを流した時に出る手洗いの水で手をすすぐことしか出来ません。

ペーパータオルやハンドドライヤーなど

濡れた手を拭くためのペーパータオルやハンドドライヤーなどはありません。

また、ハンドタオルもありません。

ハンカチを持っているならそちらを使いますが、逮捕された時に現金を持っていなかった人の多くはハンカチを持っていません。※逮捕時にハンカチを持っていたとしても、留置場で使えないことが大半だからです。

ちり紙にも制限があるため、ハンカチを持っていない人の中には、手を洗わない人もしばしばいます。

ウォシュレット

トイレ後のウォシュレットは気持ちいいというだけでなく、「清潔にする」と言う意味ではあったほうが良いものでしょう。

残念ですが、留置場にウォシュレットはありません。


留置場のトイレットペーパー事情

留置場のトイレットペーパー事情の実際についてお話ししていきます。

ロール式のトイレットペーパーは置いていない

普段、トイレットペーパーというとロール式のものを思い浮かべると思います。

留置場のトイレの中にトイレットペーパーは置いてありません。

下の絵のように、トイレに設置してある小窓に20センチ四方のちり紙が置いてありますので、そちらを利用することになります。ちり紙が少なくなったら、トイレを使用した人が留置場の警察官にちり紙を請求します。

意外に柔らかくて使い心地がいいと評判ですが、欠点は、ロールのトイレットペーパーよりも使い勝手が悪いです。

留置場のトイレの外観

留置場のトイレならではの話

留置場のトイレならではの話をご紹介します。

長い時間トイレにこもっていると、留置場の警察官が中を確認しに来る

留置場のトイレにはセンサーがついていて、長い時間トイレにこもっていると、留置場の警察官が中を確認しにやってきます。

注意されると恥ずかしい思いをしますので、5分以上トイレに籠らないようにしましょう。

ちり紙をトイレ内に隠す

ちり紙を請求しても、あまりたくさんはもらえません。都度頼むように言われますが、留置場で働く警察官も忙しいため、必要な時になかなか来れないこともしばしばあります。

そのため、部屋によってはトイレの中にちり紙を置き、見える位置にあるちり紙を減らすことで、ストックを多めに持つようにしています。

留置場で生活する中で得た知恵なのでしょう。


まとめ

留置場のトイレ事情とその実際についてお話ししてきました。

留置場のトイレは独特の作りをしています。勾留は長期間行われることが多いため、様々な工夫をしているようです。

この記事がご参考になれば幸いです。