留置場にいる人は一体どのようなものを食べているのでしょうか?
気になるという人も多いと思います。
留置場の食事については、弁護士事務所を中心に多くの記事が書かれていますが、実際の食事については当たり障りのないことしか書かれていないことが多いようです。
この記事では気になる「留置場の食事」の実際について、経験者からのインタビューを通じて得た知見を含め、なるべくリアリティを追求した記事にしたいと思っています。
では早速話を始めていきましょう!
留置場の食事内容とは? 基本情報を知る
留置場の食事の目的
留置場で提供される食事にはどのような目的があるのでしょうか。その特徴を下記に示していきます。
- 健康の維持:
留置場に厨房施設はないため、外部委託している業者によるお弁当が配られます。
留置場で提供されるお弁当には基準が設けられて、被疑者の健康に配慮しています。
制限はあるものの、アレルギーや病気に対応することが可能です。 - コスト:
留置場で勾留されている被疑者は「無料」です。
費用は警察署の運営費で計上されていて、1食およそ300〜400円程度と言われています。
価格に上限がある中で食事が提供されるため、一般的な普通のお弁当よりも質素な内容だったという感想が大半です。 - 必要なカロリーの摂取:
主菜1232kcla、副菜998kcal、合計2232kcalを基準としたお弁当が配食されます。
活動量の少ない成人女性の場合は、1400~2000kcal、男性は2200±200kcal程度が目安です。
出典;「農林水産省 食事バランスガイド早分かり 1日に必要なエネルギー量と接種の目安 対象者の身体活動レベルでコマの大きさが決まる」
活動量の低い成人男性の目安となる摂取量は、引用で示した通り2200kcal±200kcalとされています。
留置場ではほとんどの時間を室内で過ごすため、活動量は低くなります。
そのため必要最低限のカロリー摂取が出来ていると言えるでしょう。
食事の提供方法
- 時間:
1日3食(朝食、昼食、夕食)が決まった時間に提供されます。 - 形式:
留置場に厨房施設がないため、お弁当は冷めたいものが提供されます。
味噌汁やお茶などは温かいものが提供されます。 - 提供者:
毎食、警察署が契約している外部業者が作ったお弁当が提供されます。 - 自弁:
お金を出すことで、留置場で提供されるお弁当以外のものを注文することができます。
各警察署によって取り扱いは異なりますが、概してお弁当は600円〜800円ほどの費用で唐揚げ弁当やトンカツ弁当などが頼めることが多いようです。
他には100〜200円でドリンクを注文できたり、週に1回どら焼きなどのお菓子を頼むことができたりします。
自弁は平日のみ注文できるようにしている所が多いようです。
留置場の食事メニュー例
では実際のメニューはどのようなものなのでしょうか? 警視庁管轄の留置場で出たお弁当の例を挙げてみましょう。
朝食
朝食で使われる容器は夕食と同じ容器が使われます。白米の量は夕食と同じですが、夕食よりおかずは2品少なく提供されます。朝食のみ味噌汁が提供されます。白米やおかずは冷めていますが、お茶と味噌汁は温かいものが食べられます。
- 白ごはん
- 味噌汁(プラスチックのお椀で提供される)
- お茶またはお水(味噌汁同様、プラスチックのお椀で提供される)
- ちくわフライ1個(7センチ大)
- 焼売(小)1個
- 漬物2品
- 調味料:醤油・ソース
警視庁管内の留置場の朝食は『白米・味噌汁・お茶またはお水・おかず2品・漬物2品』の構成になっているようです。その他、調味料として醤油とソースが配布されます。
味が薄く物足りないと感じる方が大半で、お米に醤油やソースをかけて食べる人が多いようです。人によっては味噌汁にも醤油を加える方もいます。
昼食
昼食はパン食が基本です。
- コッペパン2個
- マーマレード、リンゴジャム
- マーガリン1つ
- 紙パックのぶどうジュース
- コロッケ(コロッケの下に少量のパスタつき)
- お湯またはお水
- 調味料:醤油・ソース
警視庁管内の留置場の昼食は『コッペパン2個・ジャム2個・マーガリン1個・おかず1品(主にコロッケ)・お湯またはお水・紙パックのジュース』の構成になっているようです。その他、調味料として醤油とソースが配布されます。
コッペパンにおかずを挟み、醤油やソースで味付けして、サンドイッチしたものを食べる人が多いようです。
夕食
夕食は朝食と似ていますが、おかずが2品増えています。朝食に合った味噌汁は提供されません。
- 白ごはん
- 焼売(小)1個
- 白身魚のフライ
- ハンバーグ(小)
- 漬物(2種類)
- お茶またはお水
- 調味料:醤油・ソース
警視庁管内の留置場の夕食は『白米・お茶またはお水・おかず4品(揚げ物中心)・漬物2品』の構成になっているようです。その他、調味料として醤油とソースが配布されます。
朝食と同様に味が薄く物足りないと感じる方が大半で、お米に醤油やソースをかけて食べる人が多いようです。
留置場での食事に関する実際の体験談
留置場での食事について生の声をインタビューしてみました。
ポジティブな意見
- 「無料で食べられるのはありがたい」
- 「コッペパンがとても美味しい」
- 「自弁が美味しかった」
ネガティブな意見
- 「野菜が全くない」
- 「冷めていて美味しくない」
- 「お米ばかり多くて、おかずが少ない」
- 「味が薄くて食べた気がしない」
- 「夕食の時間が早すぎる」
留置場での食事のルール
食事を分けてはいけない
留置場での食事が食べられなかったとしても、他の人におかずやご飯を分けてはいけませんし、ご飯等を貰うことも禁じられています。
食事中のトイレは行かない
食事中のトイレは完全な禁止事項ではありませんが、マナーとして注意されます。
トイレはなるべく食事前の時間帯に行っておくようにしましょう。
留置場の食事と一般的なイメージの違い
留置場の食事には、一般的なイメージと異なる点があります。
留置場のごはんは「臭い飯」なの?
留置場の食事というと「臭い飯」と言う言葉を思い出す人が多いようです。
「臭い飯」とは刑務所で出されるご飯のことを指しています。留置場のご飯は外部の業者が作ったお弁当ですから、いわゆる「臭い飯」とは異なります。
ハエが飛ぶような不衛生な場所で食事を食べているの?
留置場の中は汚くて、ハエが飛んだり悪臭がするような不衛生な環境の中でご飯を食べなくてはいけない。そう思っている人もいるようです。
被疑者自身によって毎日掃除をしていますので、最低限の衛生環境は整っています。
むしろ、衛生面で言えば、食前に手洗いをしたり、おしぼりで手を拭くことは出来ないことの方が問題かもしれません。
また、食後の歯磨きは出来ませんので、口腔衛生も問題かも知れません。
留置場の食事の味や量は?
留置場での食事の量は少ないと感じる方が多いようです。
味付けについて
- 基本的に味付けは淡白で薄味なため、味の満足度は低めです。
- 薄味をカバーするため、醤油やソースをご飯やおかずにかけて味を濃くして食べる人が多いようです。
- 味への不満があるため、自分でお金を払って「自弁」を頼む人も多くいます。
量は充分かどうか?
- 留置場で出されるお弁当の量は少ないと感じる方が多いようです。
- そのため「自弁」を買った際に、一緒に配られる「官弁」も一緒に食べる人もいるほどです。
留置場の食事と外部からの差し入れ
留置場に食べ物や飲み物を、外部差し入れることは禁止されています。
まとめ:留置場の食事は美味しいとは言えないけれど……
留置場で提供される食事は、美味しいとは言えないようですが、最低限健康を維持出来るものとなっています。
「自弁」を利用するとさらに満足度を上げることができます。食べ物や飲み物の差し入れは出来ませんが、「自弁」購入のための現金を差し入れるのも喜ばれるでしょう。
ご参考になれば幸いです。