「留置場ってどんなところ?」
「辛いって聞くけど本当?」
「家族が留置場に入ってしまって心配…」
「自首を考えているけど、留置場が怖くて踏み出せない…」
……そんな不安を抱える方は少なくありません。
逮捕後、最初に身柄を拘束される場所である留置場。閉鎖された空間での生活は、精神的にも肉体的にも大きな負担となる可能性があります。
この記事では、留置場の実情、辛いと感じる要因、乗り越え方などを解説します。
留置場とは? 基本情報と誤解の解消
留置場は、逮捕された被疑者や裁判中の被告人が一時的に収容される施設です。刑務所や拘置所とは異なる性質を持ち、以下の特徴があります。
- 一時的な収容:裁判結果が確定するまでの間、被疑者を管理するための施設です。
- 未決勾留:刑が確定していないため、刑務作業や罰則的な制限はありません。
- 生活環境:狭い部屋での生活が中心で、自由度が非常に低いことが特徴です。
- 名称:留置所と思われがちですが、正式名称は「留置場」です。
👉詳しくはこちら>>留置場とは? 知っておきたい基本情報と疑問を徹底解説
留置場の辛さの実態
留置場が「辛い」と感じられる主な理由は、以下の3つです。
その1: 精神的な辛さ
- 外部との接触制限:面会や手紙のやり取りは可能ですが、自由に外部と連絡を取ることはできません。
接見禁止がついしまうと、弁護士や裁判所から除外認定された人としか面会や手紙のやり取りができなくなり、よりストレスを感じやすくなってしまいます。
また、逮捕後72時間は弁護士以外の外部の人間との接触が完全に遮断されます。 - 先の見えない不安感:裁判や今後の見通しが立たない中での生活は、強いストレスとなります。
- 孤独感:ほとんど同室者がいる場合もありますが、会話は制限されることが多く、孤独を感じやすい環境です。
- プライバシーの欠如:同室者がいたり、監視カメラがあったり、留置場担当官による監視があるなど、プライバシーがありません。
- 名前を呼ばれない:留置場内では名前で呼ばれることが無くなり、番号で呼ばれるようになります。
経験者によると、名前を呼ばれないことによって、自己アイデンティティが奪われてしまうためか、地味に精神的ダメージを受けて落ち込んだそうです。 - 取り調べ:慣れない取り調べを受けること自体がストレスになります。
その2:身体的な辛さ
- 閉鎖的な環境:留置場の部屋は白いコンクリートの壁と鉄格子で覆われた閉鎖的な環境で、基本的に他の被疑者との相部屋となります。また、監視がつくため、プライバシーがほとんどありません。
- 硬い寝具:寝具は冬でも薄い敷布団に固い化繊の毛布2枚だけであり、寝ていて体が痛くなる人も多いです。
- 食事:コンビニ弁当を安くしたようなお弁当が出てきます。冷たく、味付けは薄く、慣れない人にとっては辛いと感じます。
その3:規則に縛られる生活
- 自由の制限:行動の自由が大きく制限され、時間割に従った生活を送る必要があります。
- 時間管理:起床・就寝時間等の時間割が厳格に決められていて、スケジュール通りに過ごすことが求められます。
- 監視下での生活:留置担当官による監視の目を常に意識してしまいます。
家族や知人が感じる「辛さ」と支援方法
心配が募る理由
家族や知人が留置場にいると、
- 「どのように過ごしているのか」
- 「孤独を感じていないか」
と不安になるのは当然です。
特に、留置場の環境についての情報が少ないと、イメージだけが先行してしまい、不安が大きくなることがあります。
具体的な支援方法と不安の解決方法
手紙を送る
励ましの言葉を送ることで、精神的な支えになりますし、返事を読むことで、自分自身の安心にもつながります。
逮捕後72時間以内であったり、接見禁止で手紙が送れないときは、弁護士を通じて連絡を取るようにしましょう。
また、弁護士を通じて接見禁止の一部解除を請求することも大切です。
👉詳しくはこちら >> 留置場への手紙の送付方法と注意点をわかりやすく解説
差し入れをする
本や日用品を差し入れることで、留置場内の生活を少しでも快適にできます。
ご家族や知人の役に立つ差し入れをすることで、留置場の生活が少しでも過ごしやすくなると思うことによって、自分自身の安心にもつながることでしょう。
面会をする
直接話すことで、家族の存在が大きな支えとなります。
また、あなた自身もご家族や知人に会うことによって、安心できるはずです。
👉詳細はこちら >> 【留置場での面会】基本知識と注意点を徹底解説
弁護士と連携する
逮捕後72時間以内はたとえご家族様でも連絡を取ることが出来ません。
その時に被疑者と会えるのは弁護士だけです。また、接見禁止がついてしまうと、逮捕後72時間以降でも面会や手紙のやり取りはできません。
そんな時に、いつでも被疑者と会えるのが弁護士です。
弁護士と連携を取ることによって、留置場内での本人の様子を聞くことが出来ますし、伝言を伝えてもらうことも可能です。
また、接見禁止がついている場合は、一部解除の申請を出してもらうこともできます。
なるべく早く弁護士を選任するようにしましょう。
👉詳しくはこちら >> 逮捕後に困らない! 初めての弁護士選びと賢い活用法
留置場でどのような生活をしているか理解する
逮捕され、留置場で勾留されているご家族様や知人がどのような生活をしているかを知り、積極的に会話をして励ましてあげることで安心してくれますし、あなた自身の不安軽減にもつながります。
👉詳しくはこちら>>留置場とは? 知っておきたい基本情報と疑問を徹底解説
留置場での辛さを和らげる方法
留置場生活は辛いものですが、少しでも精神的な負担を軽減するためにできることもあります。
- 読書や運動の活用:許可された本を読んだり、運動時間を有効活用したりすることで、精神的な安定を保つことができます。
- 今できることに集中する:不安が大きいときは、手紙を書く、日記をつけるなど小さな活動を行うことで気を紛らわせましょう。
- 弁護士との連携:弁護士に相談することで、法的アドバイスだけでなく、精神的なサポートを受けることもできます。
- 家族や友人からの手紙を心の支えにする:手紙は、外部との数少ない繋がりを持つ手段であり、大きな心の支えとなります。
- 差し入れを活用する: 必要な物資や書籍などを差し入れてもらうことで、留置場生活の質を少しでも向上させることができます。
留置場の実態
留置場は快適な場所ではありません。ですが、過酷というほど劣悪な環境ではありません。留置場には以下の特徴があります
- 1日平均約1万4,000人が留置されている
- 成人男性、少年、女性で区別された居室がある
- プライバシーへの配慮がある
- 24時間の空調設備が完備されている
ただし、個室での勾留や、新聞・雑誌の閲覧制限など、状況によっては厳しい制限が課される場合もあります。
👉詳しくはこちら >> 留置場の部屋はどんな作りなの? その実際を解説!
よくある質問(FAQ)
Q. 留置場は本当に辛いですか?
A. 精神的に辛いと感じる人が多いですが、対策を知ることで不安を和らげることが可能です。
Q. 家族が留置場で辛い思いをしているのではないかと心配です。
A. 差し入れや手紙、面会などで支援することが大切です。詳細は上記リンクを参考にしてください。
Q. 留置場と拘置所は同じですか?
A. 異なります。留置場は一時的な収容場所、拘置所は裁判前や刑執行前の被告人を管理する施設です。
まとめ:留置場の辛さを理解し、適切な対応を
この記事では、留置場の実情、辛いと感じる要因、乗り越え方などを解説しました。
留置場は決して快適な場所ではありませんが、適切な対応を取ることで、少しでも精神的な負担を軽減することができます。
もし、留置場に関して不安なことや心配なことがあれば、弁護士に相談することをお勧めします。
【関連書籍】
逮捕され、留置場で過ごすリアルな日常を知りたい方にはこちらの書籍もオススメです!