もしあなたの家族や友人が逮捕されて留置場にいたとしたら……、差し入れをしたいと考えるのは当然のことです。
留置場生活は急な逮捕と不安で辛くストレスがかかる生活を強いられます。同時に、刑務作業があるわけではないので、取り調べ以外の時間を持て余しがちにもなります。
ですから、本は貴重な娯楽であり、精神的な支えにもなります。
しかし、「どんな本でも差し入れできるのか?」「何冊まで可能なのか?」など、疑問を持つ方も多いことでしょう。
この記事では、「留置場への本の差し入れ」に焦点を当て、冊数制限や注意点などを徹底的に解説します。
留置場への差し入れ:基本的なルール
まず、留置場への差し入れに関する基本的なルールを確認しておきましょう。
- 逮捕後72時間以内:弁護士を除くすべての面会や差し入れが禁止されます。差し入れをしたいときは弁護士を通じて行う必要があります。
- 逮捕後72時間超で「接見禁止が付いている場合」: 弁護士以外との面会が禁止されますが、差し入れは可能です。弁護士を通じて差し入れを行うか、郵送または現地に行き、差し入れを行います。
- 逮捕後72時間超で「接見禁止が付いていない場合」: 家族や友人など、弁護士以外の人も面会や差し入れが可能です。ただし、差し入れできる物には制限があります。
この記事では、接見禁止が付いていない場合を前提に解説を進めます。
留置場に差し入れできる本:種類と冊数
留置場に差し入れできる本は、一般的に以下のようなものです。
- 小説、文庫本
- 漫画、雑誌
- 専門書、参考書
- パズル本、クロスワード
一方、以下のような本も基本的には差し入れ出来ますが、内容によって差し入れができない場合があります。差し入れの可不可については、警察署毎・現場の担当者毎に判断が分かれる場合があります。
- わいせつな内容の本:大半のものは差し入れることが出来ますが、公序良俗に反するものは現場の判断で不可となる可能性があります。
- 暴力的な内容の本:基本的に差し入れることが出来ますが、他の被疑者を刺激したり公序良俗に反する可能性があるものは現場の判断で不可となる可能性があります。
- 内部が綴じられている本(ホチキス留めなど): ホチキス針などが凶器として使用されることを防ぐため、ホチキスを外して紐で閉じるか、ホチキス留めされていないものに限られます。
冊数制限について
差し入れできる本の冊数は、留置場によって異なります。一般的には、1日3冊まで、差し入れ1回につき5冊までとされていることが多いですが、1日3冊までは変わらないが、1回の差し入れが5冊以上可能な場合もあります。
事前に留置されている警察署に問い合わせることをおすすめします。
留置場に差し入れられて嬉しかった本のジャンル
留置場経験者から聞いた話をベースに、差し入れられて嬉しかった本のジャンルをご紹介します。
- ミステリーもの:ストーリ展開が早く、集中して読めるため、楽しく時間を潰すことができた。
- 自己啓発:精神的ダメージが強いが、自分を見直すことのできる時間でもあり、自己啓発本を読むことで新しい学びや発見があった。
- ビジネス:仕事が一切できなくて退屈な時間を過ごすうちに、留置場を出た後により一層仕事を頑張ろうという気持ちになった。そんな時に読んだビジネス本は留置場後の仕事のイメージを高め、辛い留置場生活を乗り切るモチベーションを上げてくれた。
- 学び:留置場生活では空いた時間がたくさんある。逮捕されて今までの自分の見直していくうちに、学習意欲が高まってきた。教科書や参考書、学習系の雑誌などを読むのは新鮮で楽しかった。
- 地図:閉鎖された環境にいるので、地図を見ることで外の世界を想像出来たし、地図に書かれたうんちくも楽しく読むことが出来た。留置場を出た後に行きたい所を想像して気分が盛り上がった。
- ラノベ:辛い時にチートでバンバン進んでいく主人公に勇気と元気をもらった。
本以外に差し入れできるもの
留置場には、本以外にも以下のようなものを差し入れできます。
- 衣類: 下着、肌着、靴下など、季節に合った衣類を差し入れできます。ただし、紐やボタンなど、自殺に使用できるものは禁止されています。
- 現金: 留置場内で日用品や食料品などを購入するために使用できます。おおむね1回につき3万円までと金額の上限が設定されています。
- 手紙: 手紙は精神的な支えになります。ただし、内容は検閲されますので、内容によっては届かない場合があります。
- その他日用品: タオル、ハンカチなど、生活に必要な日用品を差し入れできます。
本以外の差し入れや、手紙や郵便の送付方法については以下の記事をご覧ください!
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差し入れの手順と注意点
差し入れを行う際は、以下の点に注意しましょう。
- 警察署の受付時間内に訪問: 差し入れを受け付けている時間帯は決まっています。事前に警察署に確認しましょう。
- 身分証明書の提示: 身分証明書の提示を求められる場合があります。
- 差し入れ物の検査: 差し入れられたものは、警察官によって検査されます。
- 弁護士を通じた差し入れ: 逮捕後72時間以内での差し入れは弁護士しか行うことが出来ません。逮捕後72時間以降は、接見禁止がついていても差し入れることはできますが、仕事などで差し入れが難しい場合は、弁護士に依頼して差し入れてもらうか、郵便での差し入れが確実です。
- 郵便での差し入れ:現地に差し入れに行けない時には郵送するのもいいでしょう。
まとめ:事前に確認が重要
留置場への本の差し入れは、被疑者にとって大きな支えとなります。
しかし、冊数制限や種類など、細かいルールが設けられています。
確実に差し入れを行うためには、事前に留置されている警察署に問い合わせるか、弁護士に相談することをおすすめします。