「もしかしたら逮捕されるかもしれない…」罪を犯してしまった後、警察の捜査が迫っているかもしれないという恐怖は、想像を絶するものだと思います。
夜も眠れず、常に不安に苛まれる日々を送っているかもしれません。
この記事は、まさに今、逮捕を恐れているあなたに向けて書いています。
この記事では、犯罪を犯してしまった人々が自首するメリットと、逮捕された場合に準備しておくべき事や物について詳しく説明します。
逮捕が怖い理由とは?逃亡のデメリット:逃げ続けることの代償
「逮捕が怖い」もしあなたが犯罪を犯してしまったのなら……。もしあなたが警察に見つからないように逃げているのなら……。逮捕を恐れる気持ちは当然だと思いますし、逮捕を恐れるあまり、逃亡という選択肢を考えてしまう気持ちもわかります。
しかし、逃げ続けることは、精神的な負担を増大させるだけでなく、状況をさらに悪化させる可能性が高いです。
- 終わりのない精神的苦痛:いつ逮捕されるか分からないという不安は、日常生活を破壊し、精神的な苦痛を与え続けます。常に警戒し、落ち着いて生活を送ることができなくなります。
- 周囲への深刻な影響:もし、バレて逮捕された時は、家族や友人など、周囲の人々にも多大な心配や迷惑をかけることになります。場合によっては、周囲の人々も捜査の対象となる可能性があります。
- 社会的な影響:逮捕された事実が家族や職場に知られる恐れがあります。場合によっては職を失うことになります。
- より重い処罰の可能性: 逃亡や証拠隠滅の疑いを持たれることで、本来よりも重い罪に問われる可能性が高まります。裁判で不利な心証を与え、量刑に影響する可能性もあります。
- 社会生活からの隔絶:もし、被疑者になってしまい、逃亡しながらの生活を送ることになったとしたら……、それは社会との繋がりを断ち切ることを意味します。仕事や住居を失い、社会復帰が困難になる可能性もあります。
- 将来への不安:このまま見つかるのか、見つからないのか。先の見通しが見えなくなりますし、刑事手続きが自分の人生にどのような影響を与えるのか分からず、将来への不安が募ります。
- 予測不能な取り調べ:警察でいつ・どのタイミングで・どのような質問や対応を受けるかの予測がつかず、不安が絶えません。
逃げたい気持ちはわかりますが、逃げ続けることにより、どんどん問題が大きくなってしまいます。そして精神的負担も雪だるま式に増えていきます。
自首のメリット
逮捕を恐れているあなたに、一つの選択肢として「自首」を提案します。自首とは、警察に自ら出頭し、罪を申告することです。
自首には以下のような重要なメリットがあります:
- 刑の軽減:自首することにより、裁判で量刑が軽くなる可能性が高くなります。
- 逮捕・勾留回避:自首によって、逮捕や勾留を避けられる可能性があります。
- 精神的な負担からの解放:いつ逮捕されるかという不安から解放されます。
- 社会的評価の向上:自ら罪を認める姿勢は、周囲からの信頼回復につながる可能性があります。社会復帰しやすくなるとも言えるでしょう。
- 示談交渉の円滑化:被害者との示談交渉が進めやすくなります。
- 実名報道リスクの低下:自首することで、逮捕のリスクを減らすことができるので、その結果、実名報道のリスクを減らせる可能性が高まります。
- 有利な刑事処分:微罪処分や不起訴処分などの可能性が高まります。
- 捜査への協力:捜査に協力することで、事件の真相解明に貢献できます。そのことで、量刑の軽減や不起訴につながるだけでなく、贖罪感が生まれ、精神的安定を得られやすくなります。
自首は勇気のいる行動ですが、後悔を減らし、より良い結果につながる可能性を秘めています。
自首のデメリット
- 即時逮捕のリスク:自首したその場で逮捕される可能性があります。特に重大犯罪の場合、このリスクは高くなります。逮捕の備えをしてから自首すると良いでしょう。可能であれば弁護士に事前に相談し、自首に付き添ってもらうことも検討しましょう。親告罪の場合は、示談が成立すれば逮捕されないので、まずは弁護士を通じて被害者との示談交渉をすると良いでしょう。
- 時効成立の可能性の消滅:自首することで、時効が成立する可能性がなくなります。
- 犯罪の自己申告:発覚していない犯罪を自ら明かすことになり、取り調べや処罰の対象となる可能性があります。
- 弁護士費用(任意):適切な自首のためには弁護士に依頼することが推奨されますが、費用がかかります。
自首を検討する際は、これらのメリットとデメリットを慎重に考慮し、可能であれば刑事事件に詳しい弁護士に相談することが賢明です。とはいえ罪は償うべきです。逃げ切るのは良い方法ではありません。犯罪の種類や状況によって最適な対応が異なるため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
自首の成立の要件
自首は基本的に成立要件について、以下の点を詳しく説明します:
- 捜査機関への申告:自首は検察官または司法警察員に対して行う必要があります(犯罪捜査規範第68条)。最寄りの警察署または交番に出頭しましょう。
- 申告方法:口頭または書面で行わなければなりません。電報、ファクシミリ、電子メールなどは認められません。
- 発覚前の申告:犯罪または犯人が捜査機関に発覚する前に申告しなければなりません。
- 事実の正確性:申告する内容は犯罪事実の重要部分を隠さず、虚偽の事実を含まないものでなければなりません。
これらの要件を満たさない場合、警察に出頭しても法律上の「自首」とは認められません。
自首の成立は状況によって微妙な判断が必要となるケースもあるため、刑事事件に詳しい弁護士に相談することが望ましいでしょう。
逮捕の怖さを減らすために、事前に準備しておくと良いこと
それでも、逮捕されることを避けられない状況もあるかもしれません。逮捕される怖さを減らし、万が一逮捕された時に少しでも落ち着いて対応できるよう、事前に準備しておくと良いことをご紹介します。
- 弁護士への相談:逮捕される前に弁護士に相談しておくことで、逮捕後の流れや取り調べへの対応についてアドバイスを受けることができます。
- 弁護士の連絡先:逮捕や任意同行があった際にすぐに連絡できるように、携帯の電話帳だけでなく、名刺やメモなどを財布等、普段身につけているものに入れておきましょう。携帯は逮捕以降使えないと思った方が無難です。ですから、必ず連絡先を身につけておくようにしましょう。
- 家族や友人の連絡先:逮捕時に連絡を取りたい人の電話番号や住所のメモを身につけておきましょう。暗記できるのであれば、そのほうが望ましいです。
- 身元引受人の確保: 逮捕後、身元引受人(家族や友人など)がいると、早期釈放につながる場合があります。お願いしておくと良いでしょう。
- 持ち物の準備(必要最低限): 身分証明書、3〜5万円程度の現金、お薬手帳または常備薬などを常に携帯しておくと良いでしょう。逮捕時に持ち込めるものは限られています。必要最低限の着替え(下着・スウェット・靴下・15センチ四方以内のハンカチなど)を準備しておくと、逮捕後の生活が少し楽になります。
- 法律関連の本:逮捕や留置場でも役立つ法律や権利に関する本を読んでおくと良いでしょう。
- 精神的な準備: 逮捕後の生活は、外部との接触が制限され、精神的に大きな負担となります。ある程度の覚悟をしておくことで、落ち着いて対応できるかもしれません。
逮捕の恐怖は大きいですが、自首のメリットを理解し、適切な準備をすることで、不安を軽減し、より良い結果につながる可能性があります。法律の専門家に相談し、自分の状況に最適な対応を検討することをお勧めします。
逮捕後の流れ(概要)
逮捕後の流れを簡単に説明します。詳細は以下の記事で解説しています。
- 逮捕: 警察に逮捕されます。
- 送検: 検察官に身柄が送られます。
- 勾留請求: 検察官が裁判所に勾留を請求します。
- 勾留決定: 裁判官が勾留を決定します。
- 起訴: 検察官が裁判所に起訴します。
👉詳しくはこちら>>「逮捕から逮捕後、留置場に入るまでの流れを詳しく解説」
逮捕後の弁護士の重要性
逮捕後の弁護士のサポートは非常に重要です。
- 法的アドバイス: 今後の手続きや取り調べへの対応についてアドバイスを受けられます。
- 早期釈放の可能性: 弁護士の活動により、早期釈放される可能性が高まります。
- 示談交渉: 被害者との示談交渉を代理してもらうことで、円満な解決を目指すことができます。
👉詳しくはこちら>>逮捕後に困らない! 初めての弁護士選びと賢い活用法
👉詳しくはこちら>>逮捕されてすぐに弁護士は頼めるの? 弁護士依頼のタイミングと方法を徹底解説
まとめ:一人で悩まず、相談を
逮捕を恐れる気持ちはよく分かります。しかし、一人で悩まず、弁護士などの専門家に相談することで、状況を改善できる可能性があります。自首という選択肢も含め、後悔のない選択をしてください。もし逮捕されてしまった場合は、この記事で紹介した準備をしておくことで、少しでも落ち着いて対応できるはずです。