逮捕されて留置場に勾留されると、必ず受けることになるのが取り調べです。
- どんな雰囲気で行われるの?
- 何を質問されるの?
- どう対応すればいいの?
などの不安や疑問を抱える方は多いでしょう。
この記事では、留置場で行われる取り調べの流れや質問内容、対応のポイント、などを分かりやすく解説するとともに、留置場で行われる取り調べの実態についても詳しく解説していきます。
取り調べとは? 目的と法的根拠
取り調べとは、警察官や検察官が、犯罪の捜査のために被疑者(容疑者)や参考人から事情を聴くことです。被疑者(取り調べを受ける人)は、取調官から詳細な質問を受けます。
取り調べの目的
- 犯行の事実確認
- 動機や背景の把握
- 共犯者や証拠の有無の確認
- 事件の真相解明
- 証拠の収集
- 被疑者の供述の獲得
これらを目的に取り調べが行われます。
法的根拠
取り調べの法的根拠は刑事訴訟法第百九十八条一項に基づき行われます。刑事訴訟法では以下のように規定しています。
第百九十八条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
出典:刑事訴訟法 第百九十八条一項
任意同行(任意出頭)と逮捕後の取り調べ
逮捕されていない状態で行われる取り調べは「任意同行」または「任意出頭」と呼ばれ、拒否することができます。逮捕後の取り調べは、被疑者の身柄が拘束された状態で行われます。
留置場での取り調べ
留置場での取り調べのスケジュール
- 日中(10時〜19時)に行われることが多く、1回あたり概ね2−3時間取り調べが行われます。
- 捜査状況によっては、午前・午後・夕方に渡り取り調べが行われます。
- 長時間にわたる場合もありますが、被疑者の体調が考慮されるべきです。体調が悪い時は、刑事又は留置場の担当者に申し出ましょう。
取り調べ室の雰囲気と環境について
取り調べ室は、一般的にシンプルな空間として設計されています。
室内の構造
- 小さな机と椅子が配置され、取調官と被疑者が向き合う形です。
- 一部の取り調べ室には録音・録画設備が設置されています。(主に検察)
雰囲気
- 閉鎖的な環境ですからリラックスしにいく構造です。
- 自白事件であれば、刑事の方で、なるべくリラックスできるように配慮してくれることが多いです。
- 否認事件の場合は、取り調べが厳しくなることもあります。その場合はリラックスすることは難しくなることがあります。
- 取調官の態度や口調は状況によって異なり、時に厳しい対応を受けることもあります。
留置場での取り調べの流れ
留置場での取り調べは、一般的に以下のような流れで行われます。
- 呼び出し:刑事から呼び出しがかかります。留置場内で両手に手錠を嵌められ、ロープで結束され、留置場の外で刑事に引き渡されます。
- 入室:取調室に入り、刑事と対面します。その際手から手錠を外してもらえますが、逃走防止のため、座っている椅子と固定されます。
- 権利告知:黙秘権などの権利が告知されます。
- 取り調べ開始:取り調べ開始時間を確認し、事件に関する質問が開始されます。
- 供述調書の作成:取り調べの内容がひと段落したところで、供述調書として記録されます。1回の取り調べで調書作成まで行かないことが多いです。
- 署名・指印:作成された供述調書の内容を確認し、署名・指印(指紋を押すこと)を求められます。
取り調べで聞かれること:質問内容の例
取調官は、事件に関する事実を詳細に把握するため、様々な質問を行います。取り調べで聞かれる内容は、事件の内容によって異なりますが、一般的には以下のような質問がされます。
- 事件の経緯:事件に至るまでの経緯、動機、計画性、状況など。
- アリバイ:事件当日の行動、誰とどこにいたかなど。
- 証拠に関する質問:現場に残された物証や目撃証言などに関する質問。
- 反省の有無:反省の有無や今後のことなど。
取り調べで気をつけるポイント
取り調べを受ける際には、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。
冷静に対応する
- 取り調べ中に感情的にならないよう心がけましょう。
- 質問には事実のみを答え、推測や不確実な情報を述べないことが大切です。
弁護士の活用
- 逮捕後可能な限り早期に弁護士に相談し、取調べへの方針を決めてから取り調べに望むことが望ましいです。
取り調べへの対応:重要なポイント
取り調べを受ける際には、以下の点に注意しましょう。
- 黙秘権の行使: 黙秘権は憲法で保障された権利です。不利な供述をしないために、黙秘権を行使することができます。
- 供述の強要への注意: 警察官から供述を強要されたり、誘導されたりする場合がありますが、事実に反することは絶対に言ってはいけません。
- 供述調書の内容確認: 作成された供述調書の内容をしっかりと確認し、間違いがあれば訂正を求めましょう。
- 弁護士への相談: 取り調べを受ける前に、弁護士に相談し、アドバイスを受けることを強くお勧めします。
取り調べにおける弁護士の役割
弁護士は、取り調べにおいて以下のような役割を果たします。
- 法的アドバイス: 取り調べを受ける前に、取り調べでの対応方法や注意点などをアドバイスします。
- 取り調べへの同席(原則不可): 原則として、取り調べに弁護士が同席することは認められていません。しかし、弁護士は、取り調べ後などに被疑者と接見し、状況を確認したり、アドバイスをしたりすることができます。
- 不当な取り調べへの抗議: 不当な取り調べが行われた場合は、警察や検察に抗議します。
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取り調べで精神的に追い詰められた場合
長時間の取り調べや高圧的な態度などにより、精神的に追い詰められてしまう場合があります。そのような場合は、無理に供述する必要はありません。体調不良を訴えたり、休憩を求めたりするなど、自分の身を守る行動を取りましょう。
取り調べに関する実際の体験談
留置場での取り調べを経験した人々の体験談から、リアルな声を紹介します。
ポジティブな体験談
- 「取調官が親身になって話を聞いてくれた」
- 「短時間で終わり、予想よりも穏やかだった」
ネガティブな体験談
- 「厳しい口調でプレッシャーを感じた」
- 「何度も同じ質問をされてストレスがたまった」
まとめ:弁護士への相談が重要
留置場での取り調べは、精神的な負担が大きく、どのように対応すれば良いか不安に感じる方も多いと思います。
取り調べを受ける際には、黙秘権を行使すること、供述調書の内容をしっかりと確認すること、そして何より弁護士に相談することが重要です。
警察による取り調べは、日常生活ではなかなか体験することのない場面です。 しかし、万が一のときに備えて、取り調べの流れや注意点を知っておくことは重要です。 本記事では、警察の取り調べがどのように行われるのか、 その実態や流れ、知っておくべきポイントについて詳しく解説します。 法律や権利の視点も交え、取り調べに対する不安を解消する内容となっています!